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森啓次郎エッセイ
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9/7(金)ニュースの視点No.074
改造続ける安倍改造内閣

 安倍改造内閣が早くも改造を余儀なくされた。遠藤武彦・農林水産大臣が補助金の不正受給問題で辞任したからだ。

 8月27日に大臣になり、9月1日に記者会見を行い、3日に辞任。わずか8日間で辞任したのは、歴代短期間大臣の中でもワースト2になる記録だ。

 遠藤氏が組合長を務めていた「置賜(おきたま)農業共済組合」。加入者を水増しして災害補償法による掛け金115万円を国から不正に受給していた。

 会計検査院は2004年にこの事実を指摘していた。当然のことながら当時、遠藤氏本人も知っており、農水省も把握していた。しかし、官邸のいわゆる「身体検査」では病巣は発見できなかった。

 問題の根は深いといえる。一番の問題は、農水族の国会議員が農業関連団体の組合長となっている点だ。団体には多くの補助金が出されており、国会議員がそのトップに座って補助金獲得に躍起になっている。かわりに団体は選挙の集票を請け負う。持ちつ持たれつの癒着(ゆちゃく)構造が浮かび上がってきた。

 そして、補助金を受けた団体から政治家に金が環流される。言ってみれば、税金を団体に引っ張ってきて、その税金を自分のポケットに入れている構図だ。しかも、今回のように不正があったとしても、国会議員がトップに座っていることで監督官庁が口をつぐんでしまう悪弊も生まれている。

 ところで、同じ3日、坂本由紀子・外務政務次官も辞任した。領収書を改ざんして、政治資金収支報告書に2重3重の経費を計上していた。内閣改造がさらに進んだことになる。

 安倍内閣を支える自民党でも「改造」が相次いだ。同じ領収書の改ざんでも、玉沢元農水大臣の場合はもっと露骨だった。1枚の領収書を日付や品目を変えて5重に計上していた。玉沢氏は「辞職すべき主な公職がなかったために」離党となった。

 翌4日、参院選で当選したばかりの小林温(ゆたか)議員が議員辞職をした。選挙違反の責任を取った形だ。しかし、不可解なのは「無実を信じる」と言いながら辞めた点だ。3カ月を過ぎると補欠選挙が行われるため、その前に決断させられた。民主党に議席を奪われるくらいなら、公明党の松あきら氏を繰り上げ当選させた方がいいと自民党が判断したからだ。

 そして今、鴨下一郎・環境相の収支報告書訂正問題が起きている。安倍新内閣発足後に訂正した議員は、安倍首相本人を含めて少なくとも15人いる。若林・新農水相にも補助金をめぐる疑惑が浮上している。

 10日、臨時国会が召集される。参議院での与野党逆転が辞任・辞職を加速させている。政権交代が視野に入って政治に久しぶりの緊張感が生まれている。

 改造に次ぐ改造の末に待っているのは、もちろん内閣崩壊だ。
レギュラー出演者
森 啓次郎
森 啓次郎
「Asahiパソコン」「ぱそ」「週刊朝日」編集長を経て、現在、大学講師(メディア論)。