8/31(金) ニュースの視点 No.73
「『闇の職安』殺人事件」
「闇のサイト」による殺人事件が起きた。名古屋市千種(ちくさ)区の路上で、近くに住む女性が車に拉致され、現金を奪われたあと、殺された。
容疑者3人は携帯電話の「闇の職業安定所」で知り合い、犯行2日前にファミリー・レストランで初めて顔を合わせていた。「女性なら抵抗しない」、「通りがかりの女性を狙った」と供述している。犯行は極めて場当たり的でありながら、事前に手錠、粘着テープを準備しており、用意周到な面もある。
同時に「顔を見られたら殺そう」と、ハンマーやスコップも用意していた。それでいて覆面やサングラスなどで顔を隠そうともせず、初めから顔を見られることを前提で犯行に及ぶという矛盾した面もあった。
ところで、「闇のサイト」はもともと「振り込め詐欺」に使う架空口座や携帯電話を裏取引するために利用されていた。ところが、次第に目的が拡大。
2003年には、ネットで知り合った男に妻の殺害を依頼した事件や、2005年には、女が同僚の男性の妻を男に殺人依頼した事件も引き起こしている。また、「闇の職安」に応募した男が銀行ATMに隠しカメラを取り付けたこともあった。今年2月の偽5000円札を使用した男たちは「闇の職安で知り合った」とも供述している。
特徴の一つは匿名性だ。互いに相手の名前も素性も分からないまま犯罪集団が結成される。それゆえ、関係性を捕まえにくいという面がある。
2つ目は短期集中型になる点だ。顔合わせから犯罪行為までの期間が短く、連続的に行われる可能性がある。
3つ目は犯罪がエスカレートする危険性だ。バラバラの人間の寄せ集めであるため場当たり的にならざるを得ず、予定通りに事が進まなかった場合、パニックに陥りやすいとも言える。凶悪な人物が一人でもいると、互いに抑えが効かないために窃盗が殺人にまで発展してしまう危険がある。
4つ目は仲間割れが起きやすい点だ。気軽に抜け出そうとする者が現れるからだ。
ところで、警察はサイトの削除要請をしているが、次から次へと書き込まれる有害情報は規制のしようがない。誰でも自由に情報を発信できるのがインターネットだからだ。
結局は検挙率を上げ、こうした犯罪が割に合わないことを知らせる必要がある。そして、何よりもわずかなお金のために犯罪を行おうとする温床そのものをなくすことが重要だ。事件に関与した3人の男たちは、いずれも安定した収入を持っていなかった。「闇の職安」に最初に書き込んだ男は無職で車の中で生活していた。誘いに乗った男の一人は月給10万円前後の新聞勧誘員。もう一人は、女性に1日1万円の小遣いをもらって生活していた。
正規雇用を減らし派遣やパートに頼る日本経済のいびつさが、事件を引き起こしたと言える。
「闇のサイト」による殺人事件が起きた。名古屋市千種(ちくさ)区の路上で、近くに住む女性が車に拉致され、現金を奪われたあと、殺された。
容疑者3人は携帯電話の「闇の職業安定所」で知り合い、犯行2日前にファミリー・レストランで初めて顔を合わせていた。「女性なら抵抗しない」、「通りがかりの女性を狙った」と供述している。犯行は極めて場当たり的でありながら、事前に手錠、粘着テープを準備しており、用意周到な面もある。
同時に「顔を見られたら殺そう」と、ハンマーやスコップも用意していた。それでいて覆面やサングラスなどで顔を隠そうともせず、初めから顔を見られることを前提で犯行に及ぶという矛盾した面もあった。
ところで、「闇のサイト」はもともと「振り込め詐欺」に使う架空口座や携帯電話を裏取引するために利用されていた。ところが、次第に目的が拡大。
2003年には、ネットで知り合った男に妻の殺害を依頼した事件や、2005年には、女が同僚の男性の妻を男に殺人依頼した事件も引き起こしている。また、「闇の職安」に応募した男が銀行ATMに隠しカメラを取り付けたこともあった。今年2月の偽5000円札を使用した男たちは「闇の職安で知り合った」とも供述している。
特徴の一つは匿名性だ。互いに相手の名前も素性も分からないまま犯罪集団が結成される。それゆえ、関係性を捕まえにくいという面がある。
2つ目は短期集中型になる点だ。顔合わせから犯罪行為までの期間が短く、連続的に行われる可能性がある。
3つ目は犯罪がエスカレートする危険性だ。バラバラの人間の寄せ集めであるため場当たり的にならざるを得ず、予定通りに事が進まなかった場合、パニックに陥りやすいとも言える。凶悪な人物が一人でもいると、互いに抑えが効かないために窃盗が殺人にまで発展してしまう危険がある。
4つ目は仲間割れが起きやすい点だ。気軽に抜け出そうとする者が現れるからだ。
ところで、警察はサイトの削除要請をしているが、次から次へと書き込まれる有害情報は規制のしようがない。誰でも自由に情報を発信できるのがインターネットだからだ。
結局は検挙率を上げ、こうした犯罪が割に合わないことを知らせる必要がある。そして、何よりもわずかなお金のために犯罪を行おうとする温床そのものをなくすことが重要だ。事件に関与した3人の男たちは、いずれも安定した収入を持っていなかった。「闇の職安」に最初に書き込んだ男は無職で車の中で生活していた。誘いに乗った男の一人は月給10万円前後の新聞勧誘員。もう一人は、女性に1日1万円の小遣いをもらって生活していた。
正規雇用を減らし派遣やパートに頼る日本経済のいびつさが、事件を引き起こしたと言える。
