7/13(金) ニュースの視点 No066
「787は準国産とは呼べない」
ボーイング「787」が公開された。次世代の中型旅客機だ。機体の半分に炭素繊維複合体を使うことで軽量化を実現。現在の主力中型機「767」に比べると、約20%燃料が節約出来る。その分、航続距離が長くなり、これまで大型機と中型機を乗り継いで行かざるを得なかった外国の地方都市にも直行便で行けるようになる。
経済性と利便性からすでに677機の注文が殺到している。第1号機は全日空が受け取る。来年8月に世界に先駆けて就航させ、北京オリンピック用に羽田−北京間を結びたいとしている。
ところで、新聞各紙には「準国産機」の文字が躍った。全体の35%を日本のメーカーが造ったからだ。三菱重工が主翼、富士重工が主翼と胴体をつなぐ部分、川崎重工が胴体の一部の開発・生産に関わっている。767では国産化率は15%、777では21%だった。しかし、飛行機にとって最も重要な部分、エンジンや操縦システムについては、いまだに蚊帳の外に置かれている。そのため、単なる下請けではないかという厳しい見方もある。
自動車産業においては販売台数世界一の座を狙うトヨタがあるが、航空機産業では国産旅客機すら造れないのが日本の現実だ。
挫折の連続だった。敗戦によってGHQから「航空機の研究、生産を一切禁止」されたのが発端だ。朝鮮戦争が起きて昭和27年に解除されるが、空白の7年間に世界はプロペラからジェットに技術革新が進んでいた。さらに、軍用機の開発、生産は制限され、武器輸出3原則からも航空機産業を発展させることが出来なかった。
やっと造り上げた国産旅客機「YS11」も、赤字体質から抜け出さないまま1971年に182機目で製造中止に追い込まれた。
今や大型機はアメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社、中型機はカナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社に市場を独占されている。
そんな中、三菱重工は2012年の就航を目指し、約90人乗りの小型ジェット機の開発を進めている。4000億円とも言われる莫大な開発費を回収するためには、20年以上の長期にわたって数百機を販売しなくてはならない。
そのためには、就航が期待されているアジア各国との外交関係が重要になる。たとえば、一番の市場である中国との関係が悪化すれば、靖国問題で新幹線が売り込めなかったように航空機も買ってもらえなくなる恐れがあるからだ。つまり、成功するためには国全体の取り組みが不可欠だ。
政治家たちの動きも心配だ。外国の航空会社との間で贈収賄事件を引き起こしては、足を引っ張ってきたからだ。
100%自前の純国産機が空を飛ぶ日は本当に来るのだろうか。
ボーイング「787」が公開された。次世代の中型旅客機だ。機体の半分に炭素繊維複合体を使うことで軽量化を実現。現在の主力中型機「767」に比べると、約20%燃料が節約出来る。その分、航続距離が長くなり、これまで大型機と中型機を乗り継いで行かざるを得なかった外国の地方都市にも直行便で行けるようになる。
経済性と利便性からすでに677機の注文が殺到している。第1号機は全日空が受け取る。来年8月に世界に先駆けて就航させ、北京オリンピック用に羽田−北京間を結びたいとしている。
ところで、新聞各紙には「準国産機」の文字が躍った。全体の35%を日本のメーカーが造ったからだ。三菱重工が主翼、富士重工が主翼と胴体をつなぐ部分、川崎重工が胴体の一部の開発・生産に関わっている。767では国産化率は15%、777では21%だった。しかし、飛行機にとって最も重要な部分、エンジンや操縦システムについては、いまだに蚊帳の外に置かれている。そのため、単なる下請けではないかという厳しい見方もある。
自動車産業においては販売台数世界一の座を狙うトヨタがあるが、航空機産業では国産旅客機すら造れないのが日本の現実だ。
挫折の連続だった。敗戦によってGHQから「航空機の研究、生産を一切禁止」されたのが発端だ。朝鮮戦争が起きて昭和27年に解除されるが、空白の7年間に世界はプロペラからジェットに技術革新が進んでいた。さらに、軍用機の開発、生産は制限され、武器輸出3原則からも航空機産業を発展させることが出来なかった。
やっと造り上げた国産旅客機「YS11」も、赤字体質から抜け出さないまま1971年に182機目で製造中止に追い込まれた。
今や大型機はアメリカのボーイング社とヨーロッパのエアバス社、中型機はカナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社に市場を独占されている。
そんな中、三菱重工は2012年の就航を目指し、約90人乗りの小型ジェット機の開発を進めている。4000億円とも言われる莫大な開発費を回収するためには、20年以上の長期にわたって数百機を販売しなくてはならない。
そのためには、就航が期待されているアジア各国との外交関係が重要になる。たとえば、一番の市場である中国との関係が悪化すれば、靖国問題で新幹線が売り込めなかったように航空機も買ってもらえなくなる恐れがあるからだ。つまり、成功するためには国全体の取り組みが不可欠だ。
政治家たちの動きも心配だ。外国の航空会社との間で贈収賄事件を引き起こしては、足を引っ張ってきたからだ。
100%自前の純国産機が空を飛ぶ日は本当に来るのだろうか。
