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放送内容
森啓次郎エッセイ
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5/25(金)ニュースの視点 No059
「止まらない中国からの危険食品」

 中国から「危険な食品」が輸出されている。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、4月の1か月間に中国から輸入された食品貨物107件を差し押さえ、中から「発ガン性物質で加工された乾燥リンゴ」、「使用禁止の抗生物質が使われた冷凍ナマズ」、「違法な農薬が使われたキノコ類」を摘発した。

 アメリカではさらに、ペットフードを食べた犬や猫に異変が起きている。今年3月にはカナダを含めて数百匹が死亡。原料の中国産小麦から樹脂に使われるメラミンが見つかり、これが腎臓障害を引き起こしたものと考えられている。

 ペットフードを製造したカナダの会社はすでに約6000万個の缶詰を回収。中国国家品質監督検査検疫総局は5月8日、「北米に輸出されたペットフードにメラミンが違法に添加されていた」ことを認めた。

 またパナマでは、中国製「風邪薬シロップ」を飲んだ患者100人が死亡。体内から不凍液に使われる毒性の高いジエチレングリコールが検出された。中国外務省は、薬品会社が甘みをつけるために「グリセリン」の代わりに使用していたと発表した。安上がりに作ろうとしたのが原因だった。

 日本に対しても例外ではない。2002年には中国産冷凍ホウレンソウから基準値を超す農薬が検出され、2003年にはウナギの加工品から使用が許されない合成抗菌剤・エンロフロキサシンが検出されている。2005年には、ダイエット食品から多量に服用すると危険な食欲抑制剤が検出され、東京では10代の女性が死亡している。2006年には、シイタケ、ネギ、落花生、シュンギク、ニンニクの芽、ウーロン茶などから基準を超す農薬や殺虫剤が、さらに2007年には合鴨スモークから使用が許されていない添加物が検出されている。

 日本では、抜き取り検査をして水際で押さえ込もうとしている。しかし、膨大な量をすべて調べるのにはしょせん無理がある。中国産シイタケが大分県産に化けていた例もあった。

 ところで、中国政府が「危険食品」を止められないのは、安全性の追求が製造現場の隅々まで徹底されていないからだ。経済活動を優先させ、所得倍増計画に突き進んだ頃の日本の姿と重なる。水質汚染や廃棄物汚染も深刻になり始めている。中央の統制が働かないのは、違法コピー問題と同じ根がある。

 今や中国はアメリカを抜き、世界最大の貿易相手国となった。2006年度の輸出入を合わせた貿易額は25兆4000億円。輸入額は約13兆8000億円で、うち食料品は9300億円にも上っている。

 魚介類、野菜、肉、穀物・・・、中国からの食品に依存する日本。しかし、その中国はますます危険な状態に陥っている。
レギュラー出演者
森 啓次郎
森 啓次郎
「Asahiパソコン」「ぱそ」「週刊朝日」編集長を経て、現在、大学講師(メディア論)。