朝日グループのニュースチャンネル
文字サイズ 大 標準
朝日ニュースターとは視聴方法よくある質問サイトマップHOME
週間番組表月間番組表番組一覧プレゼントご意見・ご感想メールマガジン
視点
放送内容
森啓次郎エッセイ
放送内容
5/4(金・祝) ニュースの視点 No056
「デジカメ時代の落とし穴」

ゴールデンウイーク中、写真を撮っている方も多いと思う。今やカメラと言えば「デジタルカメラ」。昨年1年間に国内出荷されたデジカメは942万台で、「フィルムカメラ」はわずか13万台に過ぎない。カメラの98.6%はデジカメとなった。

その結果、コニカミノルタはフィルムカメラから撤退し、ニコンも2機種を残し撤退することを決めた。

フィルムカメラとデジカメが出荷台数で逆転したのは2001年3月。その年の年間出荷台数はフィルム302万台に対してデジタル483万台。後方から追いつくと一気に抜き去って行った。

ところで、デジカメの特長は撮影の利便さだ。フィルムを交換することなく何百枚も写すことができる。そして、パソコンさえ使えれば簡単な操作でハードディスクにどんどん写真を貯めておける。さらに、プリンターを持っていれば好きなときに好きな大きさに好きな枚数だけ自分でプリントすることが出来る。写真屋さんにいちいち頼む手間がなくなった。

私もそうしたデジカメの便利さにどっぷりつかっていた。しかし、悲劇が突然、襲った。大量の写真データを入れていた外付けと内蔵の2台のハードディスクがほぼ同時に壊れたのだ。どちらも買ってからまだ2年も経っていなかった。パソコンと付き合い始めて17年。それまで一度もハードディスクが壊れたことがなかったために油断があった。バックアップを取っていなかったのだ。しかも、機械的に壊れたために市販されているデータ復旧ソフトは役に立たなかった。

買った店とメーカーに問い合わせると、保障期間中だったために無料で直すという返事が返ってきた。しかし、よくよく確かめてみると保障とは機械の修理をするだけで、ハードディスクは新品同様になるが、中のデータはなくなると言われた。

仕方なくデータ復旧会社を探した。最初は無料診断にひかれて九州の会社にハードディスクを送った。返事は1台45万円。2台で90万円かかるというものだ。あまりの高額に今度は埼玉県の会社に送った。かなり破壊されている内蔵ハードディスクは、データが完全には取り出せないので7万円、外付けは破壊の程度が軽度なので、100%復旧できるが、データ量が多く46万5000円かかるといわれた。

ハードディスクは次々漂流を続けた。「最高でも10万円以内で直します」と書かれていた福井県の会社にも送った。しかし、技術力がないために直せないと送り返してきた。

結局、初期診断料24000円、2台分の復旧費用53万5000円。合計55万9000円を払ってデータはほぼ元に戻った。二度と撮れない海外旅行の写真や家族の写真がなかったら、やめていたに違いない。

現在は、ハードディスク3台にバックアップを取っている。しかし、紙焼きにしてアルバムに貼っておくのが、一番確実な保存方法なのではないかと思い始めた。
レギュラー出演者
森 啓次郎
森 啓次郎
「Asahiパソコン」「ぱそ」「週刊朝日」編集長を経て、現在、大学講師(メディア論)。