4/20(金)ニュースの視点 No054
「保険はシンプルにすべきだ!」
生命保険会社が保険金の不払いを起こしていた。38社の合計で25万件、総額284億円に上る。そのほとんどが日本生命や第一生命といった大手12社によるものだ。23万件、267億円。全体の94%を占めていた。
調査はまだ始まったばかりの段階で、さらに不払いの恐れがある契約は110万件も残っている。全容が解明されるのは9月いっぱいかかる見込みだ。
不払いのケースは大きく分けて3種類あった。まずは、契約者から請求がなかったから払わなかったというケースだ。中でも、がん、脳卒中、心筋梗塞になると保険金が受け取れる「3大疾病特約」が問題だった。入院給付金とは別に最高2000万円を受け取れるが、払われなかった例があった。
また、退院後、通院した場合に保険金を受け取れる「通院特約」。1日2〜3000円と少額だったためか、意図的に無視されたケースがあった。これらの総額は171億円にも上る。
そして、事務処理ミスが76億円。契約者はきちんと請求していたが、診断書に書かれていた手術などを見落とし、給付金を払ってこなかった例だ。さらに、保険料が払い込まれず、契約が失効した際に契約者に返さなければならなかったお金を返さなかったケースなどが20億円分あった。
不払いの背景には、売るときだけは熱心で請求がなければ放っておくという生保業界の体質と、たくさんの種類の特約を生み出し、保険そのものが複雑化したことがある。特約は1998年の保険料率自由化以降に広まった。保険の安売り競争で収入が落ちることを嫌った保険業界が、様々な特約を付けることで収入を確保しようとしたことが原因だ。
細かな文字でびっしりと書き込まれた保険証書。契約者は1通の請求書ですべて済むと思っているが、実際は、特約ごとに別の書類を提出する必要がある。契約者自身がよく理解していなかったことにつけ込んで、保険内容を積極的に顧客に知らせてこなかった責任は重いといえる。保険は出来るだけシンプルにすべきだと思う。
ところで、2年前の2005年2月、明治安田生命に不払い問題が浮上した。金融庁は2週間の業務停止命令を出したが、その時、同業他社は「あくまでも明治安田特有の問題」と素知らぬ顔をしてきた。当初162件と発表された明治安田生命の不払いは、今回の調査で9000件を超えていることがわかった。
損保、生保という2つの保険業界を覆っている厚い隠蔽体質の雲。損保も今年3月、業務停止を含む処分を受けている。
自らを厳しく律する姿勢がない業界に、本当に自浄能力があるのか疑問だ。
生命保険会社が保険金の不払いを起こしていた。38社の合計で25万件、総額284億円に上る。そのほとんどが日本生命や第一生命といった大手12社によるものだ。23万件、267億円。全体の94%を占めていた。
調査はまだ始まったばかりの段階で、さらに不払いの恐れがある契約は110万件も残っている。全容が解明されるのは9月いっぱいかかる見込みだ。
不払いのケースは大きく分けて3種類あった。まずは、契約者から請求がなかったから払わなかったというケースだ。中でも、がん、脳卒中、心筋梗塞になると保険金が受け取れる「3大疾病特約」が問題だった。入院給付金とは別に最高2000万円を受け取れるが、払われなかった例があった。
また、退院後、通院した場合に保険金を受け取れる「通院特約」。1日2〜3000円と少額だったためか、意図的に無視されたケースがあった。これらの総額は171億円にも上る。
そして、事務処理ミスが76億円。契約者はきちんと請求していたが、診断書に書かれていた手術などを見落とし、給付金を払ってこなかった例だ。さらに、保険料が払い込まれず、契約が失効した際に契約者に返さなければならなかったお金を返さなかったケースなどが20億円分あった。
不払いの背景には、売るときだけは熱心で請求がなければ放っておくという生保業界の体質と、たくさんの種類の特約を生み出し、保険そのものが複雑化したことがある。特約は1998年の保険料率自由化以降に広まった。保険の安売り競争で収入が落ちることを嫌った保険業界が、様々な特約を付けることで収入を確保しようとしたことが原因だ。
細かな文字でびっしりと書き込まれた保険証書。契約者は1通の請求書ですべて済むと思っているが、実際は、特約ごとに別の書類を提出する必要がある。契約者自身がよく理解していなかったことにつけ込んで、保険内容を積極的に顧客に知らせてこなかった責任は重いといえる。保険は出来るだけシンプルにすべきだと思う。
ところで、2年前の2005年2月、明治安田生命に不払い問題が浮上した。金融庁は2週間の業務停止命令を出したが、その時、同業他社は「あくまでも明治安田特有の問題」と素知らぬ顔をしてきた。当初162件と発表された明治安田生命の不払いは、今回の調査で9000件を超えていることがわかった。
損保、生保という2つの保険業界を覆っている厚い隠蔽体質の雲。損保も今年3月、業務停止を含む処分を受けている。
自らを厳しく律する姿勢がない業界に、本当に自浄能力があるのか疑問だ。
