3/2(金) ニュースの視点 No047
「どうにも止まらない、金属泥棒」
金属が大量に盗まれている。銅やステンレス製の物体が町中から消えている。2月中の事件だけでも全国各地に広がっている。
1日には福岡県の公園から、遊歩道につけられていたステンレス製の手すりが110メートルにわたって盗まれた。9日には埼玉県で、団地内に設置されていたステンレス製の車止めが80本盗まれていたのが発見された。同じ日、三重県では津市や伊賀市など21カ所で、中部電力の電線202メートルが盗まれた。
さらに16日には佐賀県で、港の堤防に取り付けてあったステンレス製の防潮用扉が3枚。1枚の重さは100キロもあった。また、茨城県と栃木県では青銅製の半鐘が次々盗まれ、21日現在、その数は39個にのぼっている。
26日には神奈川県の霊園から、墓石に据え付けられていたステンレス製の線香皿が200個盗まれた。これらはほんの一例だ。他に車のアルミホイール、道路やマンション内の側溝のフタ、神社の屋根に使われていた銅板や蛇口まである。
狙われているのは、銅、ステンレス、アルミ、亜鉛製品だ。短時間のうちに大量に、しかも、かなり重いものまで運び去っていることから、複数の犯行と思われる。当然のことながら、盗品と知りながら買い取る「闇の廃材業者」がいる。
さらに、半鐘などを溶かすには1000度以上出る溶鉱炉が必要なことから、こうした設備を持った金属加工業者も一枚かんでいる。「こそ泥」的な面を持ちながらも組織犯罪の陰がちらついている。
背景には金属価格の高騰がある。とくに中国の著しい経済成長が引き金になっている。2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博が拍車をかけている。
たとえば、銅の国際価格は4年前、先物相場で1トン20万円前後だったのが、昨年は最高100万円まで上がり、5倍に膨れあがった。今年は少し落ち着いたものの、75万円前後で推移している。また、ステンレスの素材・ニッケル価格も急騰している。中古ステンレスはキロ400円で1年前の3倍になっている。
ところで、金属泥棒はヨーロッパにもいる。アルミ製のビア樽、教会の屋根の亜鉛版、青銅製の戦没者記念碑、電車のレールまでもが被害に遭っている。また、鋼鉄製のマンホールのフタが盗まれ、子どもが落ちてケガをする事故も起きている。
歩いてみるとわかるが、街は銅やステンレスであふれている。泥棒たちにとっては、お金が落ちているように見えるのかもしれない。
手すりのない階段から子どもが落ちたり、車止めを失った駐車場で人身事故が起きたり、フタがない側溝に人や車が落ちたりするかもしれない。
犯罪はエスカレートする。このまま野放しにしておくと、思わぬ大事故、大事件につながる危険性がある。
金属が大量に盗まれている。銅やステンレス製の物体が町中から消えている。2月中の事件だけでも全国各地に広がっている。
1日には福岡県の公園から、遊歩道につけられていたステンレス製の手すりが110メートルにわたって盗まれた。9日には埼玉県で、団地内に設置されていたステンレス製の車止めが80本盗まれていたのが発見された。同じ日、三重県では津市や伊賀市など21カ所で、中部電力の電線202メートルが盗まれた。
さらに16日には佐賀県で、港の堤防に取り付けてあったステンレス製の防潮用扉が3枚。1枚の重さは100キロもあった。また、茨城県と栃木県では青銅製の半鐘が次々盗まれ、21日現在、その数は39個にのぼっている。
26日には神奈川県の霊園から、墓石に据え付けられていたステンレス製の線香皿が200個盗まれた。これらはほんの一例だ。他に車のアルミホイール、道路やマンション内の側溝のフタ、神社の屋根に使われていた銅板や蛇口まである。
狙われているのは、銅、ステンレス、アルミ、亜鉛製品だ。短時間のうちに大量に、しかも、かなり重いものまで運び去っていることから、複数の犯行と思われる。当然のことながら、盗品と知りながら買い取る「闇の廃材業者」がいる。
さらに、半鐘などを溶かすには1000度以上出る溶鉱炉が必要なことから、こうした設備を持った金属加工業者も一枚かんでいる。「こそ泥」的な面を持ちながらも組織犯罪の陰がちらついている。
背景には金属価格の高騰がある。とくに中国の著しい経済成長が引き金になっている。2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博が拍車をかけている。
たとえば、銅の国際価格は4年前、先物相場で1トン20万円前後だったのが、昨年は最高100万円まで上がり、5倍に膨れあがった。今年は少し落ち着いたものの、75万円前後で推移している。また、ステンレスの素材・ニッケル価格も急騰している。中古ステンレスはキロ400円で1年前の3倍になっている。
ところで、金属泥棒はヨーロッパにもいる。アルミ製のビア樽、教会の屋根の亜鉛版、青銅製の戦没者記念碑、電車のレールまでもが被害に遭っている。また、鋼鉄製のマンホールのフタが盗まれ、子どもが落ちてケガをする事故も起きている。
歩いてみるとわかるが、街は銅やステンレスであふれている。泥棒たちにとっては、お金が落ちているように見えるのかもしれない。
手すりのない階段から子どもが落ちたり、車止めを失った駐車場で人身事故が起きたり、フタがない側溝に人や車が落ちたりするかもしれない。
犯罪はエスカレートする。このまま野放しにしておくと、思わぬ大事故、大事件につながる危険性がある。
