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森啓次郎エッセイ
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2/23(金) ニュースの視点 No046
「支持率低下でも、憲法改定可!?」

 内閣支持率が続落している。朝日新聞が20日に発表した世論調査によると、支持率37%に対して不支持率40%。安倍内閣発足以来、初めて不支持が支持を上回った。

 マスコミ各社の調査でも同じ結果が出ている。NHKが14日に発表した調査では、支持率41%に対して不支持率43%。とくに、支持率は1月に比べて10ポイントも急落している。

 しかし、いくら支持率が下がったとしても国会運営は万全だ。小泉前首相が遺した莫大な遺産を受け継いでいるからだ。衆議院で与党が3分の2以上を占め、依然として絶対安定多数を保っている。その力で教育基本法をあっさり変え、防衛省を誕生させた。自民党の長年の夢を楽々実現してしまったため、内閣に緊張感がうすれているのはむしろ当然といえるかもしれない。閣議の前に雑談にふけるのも、首相が入ってきたとき腰が重いのも、すべては余裕のなせる技といえる。

 余勢を駆って憲法改定に着手し始めた。次は国民投票法案だ。中川・自民党幹事長は、5月3日の憲法記念日までに成立させたいと意気込んでいる。

 憲法を改正するためには、「(衆参)各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、(中略)国民投票(中略)において、その過半数の賛成を必要とする」とされている。

 この憲法96条を読んで、「国民の過半数の賛成が必要」と誤解している人がいるかもしれない。しかし、実際は投票した人の過半数でいいのだ。

 しかも、自民党案によれば投票率がいくら低くても構わないことになっている。例えば、投票率が40%だったら、その半分、20%強の賛成で憲法を改定できる。あるいは、もっと少ない人数でも可能かもしれない。その理由は、投票総数の過半数ではなく有効投票の過半数とされているからだ。賛成の人は○、反対の人は×を書くが、何も書かない票は無効票としてカウントされないからだ。

 もし、100人の村があったとする。投票率が40%で、5人の村人が判断がつかずに白紙で出したとする。すると、有効投票数は35票になるので、その過半数、つまり、わずか18人の賛成で憲法が改定できることになる。

 安倍政権は今、より少ない国民の合意で憲法改定を行う方策を講じているようにも見える。しかし、憲法は重要のものだ。私は、投票率が50%を超えなければ投票自体を無効にすべきだと思っている。そして、白票も投票総数に数え、その過半数にするべきだと思っている。

 ところで、安倍政権は選挙の洗礼を受けていない。郵政民営化に賛成か反対かの、ただ1点で選ばれた議員たちが、多数を背景に憲法改定を行っている不気味さを感じている。
レギュラー出演者
森 啓次郎
森 啓次郎
「Asahiパソコン」「ぱそ」「週刊朝日」編集長を経て、現在、大学講師(メディア論)。