1/5(金)ニュースの視点No039
「2007年問題の幕開け」
2007年問題の幕開けだ。戦後間もない1947年から49年に生まれた「団塊の世代」がいよいよ60歳定年を迎える。
その数、約680万人。前後1年を含めた広義の「団塊の世代」は1千万人にのぼる。日本の人口の約8%。この世代がスポッと抜けると、企業にとっては大きなメリットが生まれる。人件費が大幅に減るからだ。若い社員を雇う必要が出てくる。しばらくは、就職率が良くなり、企業の利益率が上がることが予想される。
しかしその一方で、物作りの現場では混乱も予想されている。熟練工を失うからだ。製品の品質が下がり、事故が多発する危険がある。2002年に起きた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」号の火災事故も、溶接を始めとするベテランたちの造船技術がきちんと継承されていなかったことが一因とされている。また、銀行統合の際に起きたコンピューターシステムの不具合も、「団塊の世代」が作り上げたプログラムが若きシステム・エンジニアたちに理解されなかったことが原因とされている。
さらに自治体によっては破綻するところが出てくる。大量の「団塊の世代」を抱えた市町村では税収が大幅に落ち込むからだ。所得税が減り、住民税が減る。その一方で、医療・福祉の負担が増えていく。
政府は「2007年問題」を「団塊お荷物論」として捉えようとしている。急激な負担増を避けようと、まず厚生年金の満額支給年齢を段階的に引き上げた。同時に、2006年4月1日から「改正高年齢者雇用安定法」を施行させた。これは、企業に「定年の65歳までの段階的引き上げ」か「定年の廃止」か「継続雇用制度の導入」を義務づけたものだ。
しかし、この法律には罰則がない上に、労使が合意すれば希望者全員を再雇用しなくてもいいという抜け道がある。しかも、再雇用の際には賃金を大幅に下げることが出来る。そのため、とりあえず形を整えたものの、本当に効果が上がるかどうか疑問視されている。
ところで、「団塊の世代」はこれまでにも様々な社会現象を引き起こしてきた。人数が多かったために「受験戦争」、大学では「全共闘運動」、就職すると、住宅不足を解消しようと鉄道沿線を拡大して郊外に住宅建設ラッシュ、それらによる高度成長。このまま引退すれば、彼らが住んでいるニュータウンやベッドタウンは活力を失い、「ゴーストタウン」と化す可能性もある。
そしてやがて超・高齢化社会が出現しようとしている。現在、65歳以上は総人口の約20%だが、49年生まれが65歳になる7年後の2014年には25%に増える。4人に1人の割合になる。少子化がそれに拍車をかけている「団塊パワー」を積極的に活用しないと、日本の将来はかなり暗いものになりそうだ。
2007年問題の幕開けだ。戦後間もない1947年から49年に生まれた「団塊の世代」がいよいよ60歳定年を迎える。
その数、約680万人。前後1年を含めた広義の「団塊の世代」は1千万人にのぼる。日本の人口の約8%。この世代がスポッと抜けると、企業にとっては大きなメリットが生まれる。人件費が大幅に減るからだ。若い社員を雇う必要が出てくる。しばらくは、就職率が良くなり、企業の利益率が上がることが予想される。
しかしその一方で、物作りの現場では混乱も予想されている。熟練工を失うからだ。製品の品質が下がり、事故が多発する危険がある。2002年に起きた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」号の火災事故も、溶接を始めとするベテランたちの造船技術がきちんと継承されていなかったことが一因とされている。また、銀行統合の際に起きたコンピューターシステムの不具合も、「団塊の世代」が作り上げたプログラムが若きシステム・エンジニアたちに理解されなかったことが原因とされている。
さらに自治体によっては破綻するところが出てくる。大量の「団塊の世代」を抱えた市町村では税収が大幅に落ち込むからだ。所得税が減り、住民税が減る。その一方で、医療・福祉の負担が増えていく。
政府は「2007年問題」を「団塊お荷物論」として捉えようとしている。急激な負担増を避けようと、まず厚生年金の満額支給年齢を段階的に引き上げた。同時に、2006年4月1日から「改正高年齢者雇用安定法」を施行させた。これは、企業に「定年の65歳までの段階的引き上げ」か「定年の廃止」か「継続雇用制度の導入」を義務づけたものだ。
しかし、この法律には罰則がない上に、労使が合意すれば希望者全員を再雇用しなくてもいいという抜け道がある。しかも、再雇用の際には賃金を大幅に下げることが出来る。そのため、とりあえず形を整えたものの、本当に効果が上がるかどうか疑問視されている。
ところで、「団塊の世代」はこれまでにも様々な社会現象を引き起こしてきた。人数が多かったために「受験戦争」、大学では「全共闘運動」、就職すると、住宅不足を解消しようと鉄道沿線を拡大して郊外に住宅建設ラッシュ、それらによる高度成長。このまま引退すれば、彼らが住んでいるニュータウンやベッドタウンは活力を失い、「ゴーストタウン」と化す可能性もある。
そしてやがて超・高齢化社会が出現しようとしている。現在、65歳以上は総人口の約20%だが、49年生まれが65歳になる7年後の2014年には25%に増える。4人に1人の割合になる。少子化がそれに拍車をかけている「団塊パワー」を積極的に活用しないと、日本の将来はかなり暗いものになりそうだ。
