11/17(金) ニュースの視点 No033
「いじめが起きたら公開模擬裁判を」
いじめによる自殺が止まらない。文部科学省には自殺予告状が次々と送られてきている。都内にある民間の「いじめ相談」には数千件もの電話が殺到している。
最初の予告があった11日、各地では厳戒態勢が取られた。しかし、何事もなく乗り切ったと思われた翌12日、埼玉県本庄市と大阪府富田林(とんだばやし)市で中学生・男女2人の自殺が起きた。
本庄市の場合、自殺した3年生は別のクラスの生徒から金銭を要求されていた。母親に対して「先生に相談したので大丈夫」と話していたという。しかし、相談を受けたはずの教師は、いじめている子を「強引なことをする子ではない」と勝手に判断し指導していなかった。
一方の富田林市では、「同級生からチビといわれて泣いているのを何回も見た」と父親は話している。母親が「学校に行って先生に話そうか」と聞くと、「またいじめられる」と断ったという。
2つの自殺に共通しているのは、教師に相談しても何も解決しないというむなしさだ。学校がアンケートを採っても、いじめの事実が出てこないのは当然だといえる。
京都大学と全国高等学校PTA連合会が行った調査では、「小学生男子の55.6%、女子の62.7%がいじめを経験」していた。中学生では2人に1人、高校生では約3人に1人。根が深いのは、いじめられた子がその後、いじめる側に回ったケースが4割を超えていたことだ。また、親しい友達がいない子の方がいる子より2倍もいじめの加害者になることもわかった。
さらに、ゲームやテレビに長時間接している小学生や、携帯メールやインターネットを長時間使用している高校生の方が、いじめをする頻度が高いこともわかった。
孤立している子が孤立している弱い子をいじめる。いじめることで、かろうじて自分自身を孤立から守る―――調査からはそんな寒々とした光景が見えてくる。
ところで、教育関係者の中には身を守るために学校を休むことを勧める人がいる。確かに緊急避難的意味では効果があるが、根本的解決にはならない。
私は、クラスで起きたことはクラスで、学校で起きたことは学校で、生徒自身が解決すべきだと思っている。周りの大人はそれを積極的にサポートする役目を負うべきだ。
一つの方法として「いじめ」の公開模擬裁判を行うことを提案する。生徒自身が裁判長、弁護士を引き受け、証人も登場させる。裁判員制度を先取りして、なるべく多くの子どもたちが判決に加わる。裁判の進め方は、陪審員が出てくるアメリカ映画が参考になると思う。傍聴人を含めて全員が参加することが重要だ。
「見て見ぬふりをする」風潮こそ「いじめ」を助長している最大の原因だからだ。
「きもい」「うざい」「死ね」に、ズボン下げ――こんな下品な言葉と行為から決別する判決を待っている。
いじめによる自殺が止まらない。文部科学省には自殺予告状が次々と送られてきている。都内にある民間の「いじめ相談」には数千件もの電話が殺到している。
最初の予告があった11日、各地では厳戒態勢が取られた。しかし、何事もなく乗り切ったと思われた翌12日、埼玉県本庄市と大阪府富田林(とんだばやし)市で中学生・男女2人の自殺が起きた。
本庄市の場合、自殺した3年生は別のクラスの生徒から金銭を要求されていた。母親に対して「先生に相談したので大丈夫」と話していたという。しかし、相談を受けたはずの教師は、いじめている子を「強引なことをする子ではない」と勝手に判断し指導していなかった。
一方の富田林市では、「同級生からチビといわれて泣いているのを何回も見た」と父親は話している。母親が「学校に行って先生に話そうか」と聞くと、「またいじめられる」と断ったという。
2つの自殺に共通しているのは、教師に相談しても何も解決しないというむなしさだ。学校がアンケートを採っても、いじめの事実が出てこないのは当然だといえる。
京都大学と全国高等学校PTA連合会が行った調査では、「小学生男子の55.6%、女子の62.7%がいじめを経験」していた。中学生では2人に1人、高校生では約3人に1人。根が深いのは、いじめられた子がその後、いじめる側に回ったケースが4割を超えていたことだ。また、親しい友達がいない子の方がいる子より2倍もいじめの加害者になることもわかった。
さらに、ゲームやテレビに長時間接している小学生や、携帯メールやインターネットを長時間使用している高校生の方が、いじめをする頻度が高いこともわかった。
孤立している子が孤立している弱い子をいじめる。いじめることで、かろうじて自分自身を孤立から守る―――調査からはそんな寒々とした光景が見えてくる。
ところで、教育関係者の中には身を守るために学校を休むことを勧める人がいる。確かに緊急避難的意味では効果があるが、根本的解決にはならない。
私は、クラスで起きたことはクラスで、学校で起きたことは学校で、生徒自身が解決すべきだと思っている。周りの大人はそれを積極的にサポートする役目を負うべきだ。
一つの方法として「いじめ」の公開模擬裁判を行うことを提案する。生徒自身が裁判長、弁護士を引き受け、証人も登場させる。裁判員制度を先取りして、なるべく多くの子どもたちが判決に加わる。裁判の進め方は、陪審員が出てくるアメリカ映画が参考になると思う。傍聴人を含めて全員が参加することが重要だ。
「見て見ぬふりをする」風潮こそ「いじめ」を助長している最大の原因だからだ。
「きもい」「うざい」「死ね」に、ズボン下げ――こんな下品な言葉と行為から決別する判決を待っている。
