4/18(金)
『イラク派遣は違憲』の衝撃
久しぶりに高校のサッカー部の仲間が集まったとき、町村官房長官の話になった。
「彼ってあれだよね」「そう、あの彼だよ」
都立高校の狭いグランドで、シュート練習をしていると、ラグビー部がその中を横一列になってボールを回しながら突進してくる。当然のことながらシュートしたボールがラグビー部員にぶつかる。すると、ラグビー部を教えに来ていた先輩たちが飛んできて、サッカー部員を小突く。ボールをぶつけた部員は胸ぐらをつかまれ、時には殴られることもあった。
「悔しかったら先輩を呼んでこい」
必ずそう言っていたように思う。その中心にいたのが、町村さんだった。3年上で、その年のラグビー部は全国大会に出場したほどの強豪だった。そのせいか極めて態度がでかかった。サッカー部員はずいぶんと泣かされたものだ。シュート練習はグランドの半分しか使っていないのだから、反対側でボール回しをやればいいのに、わざわざぶつかりにやってくる。それも練習の一つだったのかもしれない。
官房長官の記者会見場に現れる様子を見ていると、下半身の安定したスタイル、つっけんどんなものの言い方は、まさにあの時の町村先輩(にっくきマチムラ)そのものだ。
その町村官房長官が昨日(17日)「高裁の判断は納得できない」と憮然としていた。名古屋高裁が、航空自衛隊のイラクでの空輸活動に対して、憲法違反の判断を下したのだ。
イラク特措法では、活動できるのは「実地される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる一定の地域(非戦闘地域)」とされている。判断では、現在のイラク情勢を「各武装勢力と多国籍軍との抗争が複雑に絡み合って泥沼化した戦争の状態」であるため、「イラク特措法に違反し、かつ憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」と認定した。判決を下した青山邦夫裁判長は64歳。この判決は本人が直接言い渡したのではない。別の裁判長が代読した。3月に依願退官したからだ。最後に、職を賭して画期的な判決を残した。
原告側の損害賠償は認めなかったために、形の上で国は勝訴した。国は上告できないために、判決は確定する。
イラクでは、15日も自動車爆弾などで56人が死亡した。うち3人は首都バグダッドで死んでいる。12日には、米軍がバグダッド東部のサドルシティを攻撃し、民兵13人を殺害している。今も首都では激しい戦闘が続いている。なのに、「バグダッド空港は非戦闘地域」というのが政府見解だ。
ところで、今回の判決ではもう一つ画期的な部分がある。それは、「平和的生存権」を憲法上の法的権利として認めた点だ。「平和」とは抽象的概念であるために、具体的権利まで踏み込まない傾向にあった。判決では「憲法9条に違反する国の行為、すなわち戦争の遂行などによって個人の生命、自由が侵害されたり、戦争の遂行への加担・協力を強制されるようなときには、裁判所に違憲行為の差し止めや損害賠償請求により救済を求めることができる場合がある」と述べている。
つまり、9条がある限り、国が戦争に踏み切ろうとしたら国を訴えることができる。徴兵制で子どもたちを戦争に駆り出そうとしても、それを拒否する権利を持っていることになる。
裁判所は、とかく憲法判断を避ける傾向にあった。手続き論や資格論などで門前払いをすることが多かっただけに、目が覚める思いだ。
久しぶりに高校のサッカー部の仲間が集まったとき、町村官房長官の話になった。
「彼ってあれだよね」「そう、あの彼だよ」
都立高校の狭いグランドで、シュート練習をしていると、ラグビー部がその中を横一列になってボールを回しながら突進してくる。当然のことながらシュートしたボールがラグビー部員にぶつかる。すると、ラグビー部を教えに来ていた先輩たちが飛んできて、サッカー部員を小突く。ボールをぶつけた部員は胸ぐらをつかまれ、時には殴られることもあった。
「悔しかったら先輩を呼んでこい」
必ずそう言っていたように思う。その中心にいたのが、町村さんだった。3年上で、その年のラグビー部は全国大会に出場したほどの強豪だった。そのせいか極めて態度がでかかった。サッカー部員はずいぶんと泣かされたものだ。シュート練習はグランドの半分しか使っていないのだから、反対側でボール回しをやればいいのに、わざわざぶつかりにやってくる。それも練習の一つだったのかもしれない。
官房長官の記者会見場に現れる様子を見ていると、下半身の安定したスタイル、つっけんどんなものの言い方は、まさにあの時の町村先輩(にっくきマチムラ)そのものだ。
その町村官房長官が昨日(17日)「高裁の判断は納得できない」と憮然としていた。名古屋高裁が、航空自衛隊のイラクでの空輸活動に対して、憲法違反の判断を下したのだ。
イラク特措法では、活動できるのは「実地される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる一定の地域(非戦闘地域)」とされている。判断では、現在のイラク情勢を「各武装勢力と多国籍軍との抗争が複雑に絡み合って泥沼化した戦争の状態」であるため、「イラク特措法に違反し、かつ憲法9条1項に違反する活動を含んでいる」と認定した。判決を下した青山邦夫裁判長は64歳。この判決は本人が直接言い渡したのではない。別の裁判長が代読した。3月に依願退官したからだ。最後に、職を賭して画期的な判決を残した。
原告側の損害賠償は認めなかったために、形の上で国は勝訴した。国は上告できないために、判決は確定する。
イラクでは、15日も自動車爆弾などで56人が死亡した。うち3人は首都バグダッドで死んでいる。12日には、米軍がバグダッド東部のサドルシティを攻撃し、民兵13人を殺害している。今も首都では激しい戦闘が続いている。なのに、「バグダッド空港は非戦闘地域」というのが政府見解だ。
ところで、今回の判決ではもう一つ画期的な部分がある。それは、「平和的生存権」を憲法上の法的権利として認めた点だ。「平和」とは抽象的概念であるために、具体的権利まで踏み込まない傾向にあった。判決では「憲法9条に違反する国の行為、すなわち戦争の遂行などによって個人の生命、自由が侵害されたり、戦争の遂行への加担・協力を強制されるようなときには、裁判所に違憲行為の差し止めや損害賠償請求により救済を求めることができる場合がある」と述べている。
つまり、9条がある限り、国が戦争に踏み切ろうとしたら国を訴えることができる。徴兵制で子どもたちを戦争に駆り出そうとしても、それを拒否する権利を持っていることになる。
裁判所は、とかく憲法判断を避ける傾向にあった。手続き論や資格論などで門前払いをすることが多かっただけに、目が覚める思いだ。
