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森啓次郎エッセイ
森啓次郎エッセイ
2/1(金)
「中東の笛」と「中国の不衛生」

 「中東の笛」で揺れるハンドボールの日韓戦を見た。学生時代に体育の授業でプレイしたことがある。防御がむずかしい。シュートしようと飛び込んできた相手に、下手に「手を出す」と反則を取られる。ルールでは、相手が体にぶつかってきたときは、相手の反則になるが、手や腕を使って防ごうとすれば、判定は微妙になる。相手の進路を阻んだと認定されれば、2分間の退場や相手に7メートルスローが与えられる。

 また、防御していてゴールエリアを示す半円形のラインを越えてしまった場合、相手に押し込まれたならば、相手の反則になるが、故意に入ったと認定されれば、相手にフリースローが与えられてしまう。「中東の笛」はレフリーの判断に多くが委ねられているところに起因している。

 韓国の攻撃は力強かった。サイドから中に切り込んでのシュートを何本も決めていた。また、サイドから飛んだプレイヤーが、空中でパスを受け、そのままシュートする「スカイプレー」も見事に決めていた。それに比べて、日本のプレーには派手さがなかった。

 同じ日、国会では「つなぎ法案」が急転直下、取り下げられた。与党と野党の双方都合のいい勝手な思いこみで、幕となった。こちらはさしずめ「中途の笛」でプレーが止まった。

 賃金が上がらない中、物価が次々上昇している。その大本はガソリンの高騰である。暫定税率をやめれば、2兆6000億円の減税を施したのと同じになる。しかも、物価上昇を抑えられる。無駄な道路建設を止められる。そもそも「暫定的なもの」を延長に延長を重ね、何十年も続けていたこと自体がおかしい。無駄遣いの元凶である。

 やはり同じ日、中国製餃子から農薬が検出されたと発表された。こちらは「中国の不衛・生」問題。今日の朝刊の社会面下には「お詫びと商品回収のお知らせ」がズラリ並んだ。餃子やチャーシュー麺は中国に結びつくけれど、「かつとじ丼」(江崎グリコ)、「カルビクッパ」(味の素)、「ビーフカレー」(日本生活協同組合連合会)、「牛すじ串」(カネテツデリカフーズ)となると、にわかには中国製と分からない。

 冷凍食品は弁当のおかずに最適だ。朝から手間のかかるものを作っていられないから、つい買ってしまう。中学生を子どもに持つお母さんたちの悲鳴が聞こえる。

 家庭用だけでなく、業務用もある。安売りストア、弁当チェーン店、レストラン・チェーン店、居酒屋チェーン店・・・、影響は甚大だ。

 症状の強さからは、野菜の残留農薬だけでは説明できない。餃子の打ち粉に何らかの原因で入ったのではないか、工場自体の殺虫剤として撒かれたのではないか、何かの粉の偽物にこの毒物が混入していたのではないか、などが考えられる。

 それにしても不思議なのは、日本の民間検査機関が、農薬の検出には4〜5日かかるといっていたのに、中国の政府検査機関がその日の内にメタミドホスは入っていなかったと発表した点だ。日本の検査能力があまりに低いのか、あるいは北京オリンピックを前に、中国政府が事態の沈静化を早く図ろうとしたのか。

 2月に入った。冬は日が経つのが早い。1月「行く」、2月「逃げる」、3月「去る」。いったん緩んだ気温もまた下がってきた。いつも2月の終わり頃に東京でも雪が降ることがある。受験生は滑らないように受験会場に向かう。

 こちらは、春までもう「ちょっとの冷え」。
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冷凍餃子の前に「商品回収のお知らせ」が張ってあった。

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スーパーには今日も冷凍食品があふれていた。
レギュラー出演者
森 啓次郎
森 啓次郎
「Asahiパソコン」「ぱそ」「週刊朝日」編集長を経て、現在、大学講師(メディア論)。