10/26(金)
「霞ヶ関・地下倉庫の怪」
政治家がだらしなくても、日本国家が潰れないのは、「優秀な官僚組織」があるからだと、よく言われてきた。確かに、大臣たちの国会答弁は、官僚たちが作文しているのをそのまま読み上げていると聞く。
しかし、どうやらその「優秀さ」は、都合の悪いことを倉庫の中に仕舞い込むことで保ってきたようだ。血液製剤フィブリノゲンによるC型肝炎問題で、厚生労働省は患者の資料を地下倉庫に眠らせてきた。あるときは「そんな資料がない」と突っぱね、またあるときは「医療機関のプライバシー」を理由に公表を拒んできた。薬害エイズ事件と全く同じ構図である。
5年ほど知らんぷりしていれば、やがて部署が変わって責任逃れができる。退職して関連団体に天下りすれば、偉くなってのうのうと暮らせる。
フィブリノゲンは血液を凝固させるタンパク質だ。人の血液から抽出された。血液は売血などによって集められた。そして、つくられた血液製剤は出血を伴う手術の際に、止血剤として使われた。出産時に使われた例も多い。
全国7036の医療機関で28万人に投与された。ウイルスを殺す処理がなされないまま血液製剤として使われたために、多くの人に病気をうつした。1964年に製造が承認され、94年に安全な処理が出来るまで、この危険な血液製剤が使われ続けた。製薬会社の発表によると、C型肝炎感染者は1万人に上る。実際は、もっと多い可能性がある。
C型肝炎だけではない。当然、エイズもあった。2つの病気を同時にうつされた人もいるはずだ。
地下倉庫から出てきたのはわずか418人のリストである。2002年に三菱ウェルファーマ(フィブリノゲンを製造した「ミドリ十字」と合併)から提出された報告書である。
推定感染者数のわずか4%。ほとんどの人は、自分が感染していることも、やがて肝硬変や肝ガンの危険にさらされていることも自覚していないことになる。中にはすでに死亡している人も少なくない。
厚労省は、医療機関名を公表しているので「自分で検査を受けてください」と呼びかけているから責任は果たしていると言い訳している。しかし、出産時や手術時、麻酔をかけられたまま、フィブリノゲンを使用された人もいたはずだ。自分が投与されたのかどうかわからない人も多い。
だから、呼びかけたから責任がないとの言い訳は成り立たない。分かっているのに、患者に知らせないのは「未必の故意」だ。
ところで、C型肝炎患者は、全国に約200万人存在すると言われる。もちろん、フィブリノゲンによるものだけではないが、そのほとんどは不適切な医療行為によって感染した人たちだ。予防注射の際に、使い回しの注射器でうつされた人もいる。子どもの頃のことを考えると、ぞっとする。どこで、何をうつされたかわからない。
どうも最近、目が悪くなったせいか、赤福の社長やら厚労省の役人やらが重なって見える。初めは「自分は何も知らなかった」と事実を少な目に言い、追及されると徐々に認めてくる。民間では、不正を行えば売れなくなって倒産するが、官僚は前任者のせいにして知らぬ存ぜぬを決め込める。
一度、霞ヶ関の地下倉庫を総ざらいする捜索隊を組織する必要がありそうだ。
政治家がだらしなくても、日本国家が潰れないのは、「優秀な官僚組織」があるからだと、よく言われてきた。確かに、大臣たちの国会答弁は、官僚たちが作文しているのをそのまま読み上げていると聞く。
しかし、どうやらその「優秀さ」は、都合の悪いことを倉庫の中に仕舞い込むことで保ってきたようだ。血液製剤フィブリノゲンによるC型肝炎問題で、厚生労働省は患者の資料を地下倉庫に眠らせてきた。あるときは「そんな資料がない」と突っぱね、またあるときは「医療機関のプライバシー」を理由に公表を拒んできた。薬害エイズ事件と全く同じ構図である。
5年ほど知らんぷりしていれば、やがて部署が変わって責任逃れができる。退職して関連団体に天下りすれば、偉くなってのうのうと暮らせる。
フィブリノゲンは血液を凝固させるタンパク質だ。人の血液から抽出された。血液は売血などによって集められた。そして、つくられた血液製剤は出血を伴う手術の際に、止血剤として使われた。出産時に使われた例も多い。
全国7036の医療機関で28万人に投与された。ウイルスを殺す処理がなされないまま血液製剤として使われたために、多くの人に病気をうつした。1964年に製造が承認され、94年に安全な処理が出来るまで、この危険な血液製剤が使われ続けた。製薬会社の発表によると、C型肝炎感染者は1万人に上る。実際は、もっと多い可能性がある。
C型肝炎だけではない。当然、エイズもあった。2つの病気を同時にうつされた人もいるはずだ。
地下倉庫から出てきたのはわずか418人のリストである。2002年に三菱ウェルファーマ(フィブリノゲンを製造した「ミドリ十字」と合併)から提出された報告書である。
推定感染者数のわずか4%。ほとんどの人は、自分が感染していることも、やがて肝硬変や肝ガンの危険にさらされていることも自覚していないことになる。中にはすでに死亡している人も少なくない。
厚労省は、医療機関名を公表しているので「自分で検査を受けてください」と呼びかけているから責任は果たしていると言い訳している。しかし、出産時や手術時、麻酔をかけられたまま、フィブリノゲンを使用された人もいたはずだ。自分が投与されたのかどうかわからない人も多い。
だから、呼びかけたから責任がないとの言い訳は成り立たない。分かっているのに、患者に知らせないのは「未必の故意」だ。
ところで、C型肝炎患者は、全国に約200万人存在すると言われる。もちろん、フィブリノゲンによるものだけではないが、そのほとんどは不適切な医療行為によって感染した人たちだ。予防注射の際に、使い回しの注射器でうつされた人もいる。子どもの頃のことを考えると、ぞっとする。どこで、何をうつされたかわからない。
どうも最近、目が悪くなったせいか、赤福の社長やら厚労省の役人やらが重なって見える。初めは「自分は何も知らなかった」と事実を少な目に言い、追及されると徐々に認めてくる。民間では、不正を行えば売れなくなって倒産するが、官僚は前任者のせいにして知らぬ存ぜぬを決め込める。
一度、霞ヶ関の地下倉庫を総ざらいする捜索隊を組織する必要がありそうだ。
