9/7(金)
「緊急地震速報」には頼れない
台風9号が各地に大雨を降らせて、日本列島を通り抜けようとしている。のろのろと強い勢力を保ったまま上陸したのは、日本の南の海上が暑かったためである。
水温が30度ほどあったという。台風は、海から大量に水蒸気を補充しながら大型に発達し、衰えることがなかった。これも「ラニーニャ現象」のせいなのかもしれない。
また、地震が起きやしないかと心配している。7月16日、7月の台風としては最強といわれた台風4号が通り過ぎた直後に、中越沖地震が起きた。
台風と地震との関係は明らかではない。台風と噴火の関係はよく言われる。台風は熱帯性低気圧なので、通り過ぎるときに、地面を押していた気圧が一瞬大きく下がる。重しを外されて噴火が起きる。
なんとなく、同じ理屈で地震も起きそうな気がしてならない。しかし実際は、巨大断層が低気圧程度の差ではズレないのだろう。
ところで、10月1日から「緊急地震速報」の運用が開始される。地震が起きた後の初期微動をとらえて、何秒か前に地震の到来を知らせてくれるシステムだ。病院の手術現場や高層ビルの工事現場などでは、非常に役に立つ。新幹線もスピードダウンできる。
しかし、予想されている「関東大震災」クラスの地震では、そこに住んでいる人には全く役に立たない。直下型であればあるほど、地震速報が届く前、あるいはほぼ同時に揺れが始まってしまうからだ。
初期微動のP波は縦波で、秒速7キロ。大きな揺れを起こすS波は横波で秒速4キロ。差し引き3キロの差を速報に利用している。
メカニズムはこうだ。仮に震源から84キロ離れた地点を考える。P波が届くのは84÷7=12(秒)後、S波が届くには84÷4=21(秒)後、差し引き9秒前に危険を知らせることが出来る。実際には、P波をつかまえてから知らせるまでに若干の時間がかかるので、8秒前くらいかもしれない。でも8秒あれば、机の下に隠れる余裕がある。
では、仮に28キロ離れていたらどうか。P波は28÷7=4(秒)後、S波は28÷4=7(秒)後なので、その差は3秒。おそらく、地震が起きてから情報を受け取って動き出すまでに3秒は経っている。緊急地震情報の受信とともに揺れがやってくる。
実際、中越沖地震の場合、震度6強の揺れが襲った長野県飯綱町では、20秒前に地震到来を知った。重軽傷者が28人出たが、もし、速報が全戸に伝わっていたならば、もっとケガ人を減らすことが出来たかもしれない。
しかし、新潟県長岡市では3秒前、柏崎市や刈羽村では0秒前、つまり役に立たなかった。
「緊急地震速報」は震源から離れた地点でしか有効ではない。直下型大地震では、速報と一緒に大きな揺れが襲ってくる。つまり、「緊急地震速報を備えたから安心」とはいかない。
大地震で恐ろしいのは、その後の火事だ。密集した都市では、必ず同時多発火災が起きる。
電話がつながらず、信号機が機能せず、道路は大渋滞になる。道路に置き去りにされた車に次々火が移り、道路を越えて飛び火していく。消防車は火を消すためにほとんどの現場に到達できないと考えた方がいい。
台風には威力を発揮したアルミサッシの窓も、火にあぶられたらひとたまりもない。身を守る方法はあるのだろうか、暗澹たる思いだ。
台風9号が各地に大雨を降らせて、日本列島を通り抜けようとしている。のろのろと強い勢力を保ったまま上陸したのは、日本の南の海上が暑かったためである。
水温が30度ほどあったという。台風は、海から大量に水蒸気を補充しながら大型に発達し、衰えることがなかった。これも「ラニーニャ現象」のせいなのかもしれない。
また、地震が起きやしないかと心配している。7月16日、7月の台風としては最強といわれた台風4号が通り過ぎた直後に、中越沖地震が起きた。
台風と地震との関係は明らかではない。台風と噴火の関係はよく言われる。台風は熱帯性低気圧なので、通り過ぎるときに、地面を押していた気圧が一瞬大きく下がる。重しを外されて噴火が起きる。
なんとなく、同じ理屈で地震も起きそうな気がしてならない。しかし実際は、巨大断層が低気圧程度の差ではズレないのだろう。
ところで、10月1日から「緊急地震速報」の運用が開始される。地震が起きた後の初期微動をとらえて、何秒か前に地震の到来を知らせてくれるシステムだ。病院の手術現場や高層ビルの工事現場などでは、非常に役に立つ。新幹線もスピードダウンできる。
しかし、予想されている「関東大震災」クラスの地震では、そこに住んでいる人には全く役に立たない。直下型であればあるほど、地震速報が届く前、あるいはほぼ同時に揺れが始まってしまうからだ。
初期微動のP波は縦波で、秒速7キロ。大きな揺れを起こすS波は横波で秒速4キロ。差し引き3キロの差を速報に利用している。
メカニズムはこうだ。仮に震源から84キロ離れた地点を考える。P波が届くのは84÷7=12(秒)後、S波が届くには84÷4=21(秒)後、差し引き9秒前に危険を知らせることが出来る。実際には、P波をつかまえてから知らせるまでに若干の時間がかかるので、8秒前くらいかもしれない。でも8秒あれば、机の下に隠れる余裕がある。
では、仮に28キロ離れていたらどうか。P波は28÷7=4(秒)後、S波は28÷4=7(秒)後なので、その差は3秒。おそらく、地震が起きてから情報を受け取って動き出すまでに3秒は経っている。緊急地震情報の受信とともに揺れがやってくる。
実際、中越沖地震の場合、震度6強の揺れが襲った長野県飯綱町では、20秒前に地震到来を知った。重軽傷者が28人出たが、もし、速報が全戸に伝わっていたならば、もっとケガ人を減らすことが出来たかもしれない。
しかし、新潟県長岡市では3秒前、柏崎市や刈羽村では0秒前、つまり役に立たなかった。
「緊急地震速報」は震源から離れた地点でしか有効ではない。直下型大地震では、速報と一緒に大きな揺れが襲ってくる。つまり、「緊急地震速報を備えたから安心」とはいかない。
大地震で恐ろしいのは、その後の火事だ。密集した都市では、必ず同時多発火災が起きる。
電話がつながらず、信号機が機能せず、道路は大渋滞になる。道路に置き去りにされた車に次々火が移り、道路を越えて飛び火していく。消防車は火を消すためにほとんどの現場に到達できないと考えた方がいい。
台風には威力を発揮したアルミサッシの窓も、火にあぶられたらひとたまりもない。身を守る方法はあるのだろうか、暗澹たる思いだ。
