4/6(金)
直球にはくせ玉が隠れている
「春眠暁を覚えず」と言えばかっこいいが、実際は暁をしっかり覚えてから、惰眠をむさぼった。レッドソックスの松坂大輔投手が1勝目を上げたとき、時計は朝6時を回っていた。眠い。
魔球ジャイロボールは確かに存在する。アメリカンフットボールで、クォーターバックがパスするときに投げるボールがジャイロボールだ。スクリューのような回転をしながら飛んでいく。空気を切り裂くような回転をするので、スピードが落ちずに安定した軌道を描く。理論はわかっていても、投げるのにはもちろん高い技術がいる。
直球との違いは、直球が上向きのカーブである点だ。バックスピンをかけて逆回転を生じさせる。ボールの上を流れる空気と、下を流れる空気の間に気圧の差が生まれる。上の方が、進む方向と回転方向が重なり、空気が早く流れるために薄くなり、ボールは上に吸い上げられる。つまり、上向きにカーブがかかる。
ホップするような感じはこうして起きる。ただ、ボールには万有引力の法則で、自然落下の力が加わるので、下に落ちていく。このとき、下向きの力と、回転による上向きの力が釣り合うと、ボールはあたかも真っ直ぐ進むように見える。これが「直球」だ。
「直球勝負」とは、正々堂々真っ正面から立ち向かう例えだ。しかし、科学的に正確に言えば、その裏には「くせ(曲)玉」が隠されていることになる。
民法772条の2の改正問題。自民党プロジェクトチームの投げた球は、長勢法務大臣によって「くせ(曲)玉」に替えられた。結局は、「運用」「通達」で済まされそうな雰囲気だ。
改正が見送られた「300日規定」とは、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」(民法772条第2項)という法律だ。
離婚後に妊娠したことが医師によって証明されれば、「前夫の子」としてではなく「現夫の子」と認められるという。
しかし、これでは不十分だ。妻が夫からの暴力(ドメスティックバイオレンス)などの理由で家を飛び出した場合、離婚訴訟は夫側の非協力で長引くのが予想できる。その間に新しいパートナーと出会えば、離婚成立前に妊娠する可能性がある。
実際、今回の「通達」で救われるのは、今問題を抱えている夫婦の2割程度しかいない。無戸籍の子どもたちはこれからも存在し続けることになる。
ところで、熊本市の慈恵病院に日本で初めての「赤ちゃんポスト」が設置される。安倍首相は早速「匿名で赤ちゃんを置き去りにしていくことは、許されないのではないか」と不快感を示した。この発言は長勢法相の「離婚成立前に妊娠した女性まで救済すれば、親子関係や家族のあり方に重大な影響を与える」発言とどこか似ている。
清廉潔白な母親像がある。美しい家庭像がある。しかし、清廉潔白だけでは生きられない厳しい現実の中で、こうした問題が起きている。「新生児が放置され死亡していく姿を見るくらいなら、社会全体で救おう」と考える国々がある。「離婚の翌日、再婚して何か問題があるのか。生まれた子の父親がだれであろうと、現在の夫婦の子にしてどこが問題なのか」とする国がある。
日本という国は、単にDNA的つながりばかり気にする国のように見える。
「春眠暁を覚えず」と言えばかっこいいが、実際は暁をしっかり覚えてから、惰眠をむさぼった。レッドソックスの松坂大輔投手が1勝目を上げたとき、時計は朝6時を回っていた。眠い。
魔球ジャイロボールは確かに存在する。アメリカンフットボールで、クォーターバックがパスするときに投げるボールがジャイロボールだ。スクリューのような回転をしながら飛んでいく。空気を切り裂くような回転をするので、スピードが落ちずに安定した軌道を描く。理論はわかっていても、投げるのにはもちろん高い技術がいる。
直球との違いは、直球が上向きのカーブである点だ。バックスピンをかけて逆回転を生じさせる。ボールの上を流れる空気と、下を流れる空気の間に気圧の差が生まれる。上の方が、進む方向と回転方向が重なり、空気が早く流れるために薄くなり、ボールは上に吸い上げられる。つまり、上向きにカーブがかかる。
ホップするような感じはこうして起きる。ただ、ボールには万有引力の法則で、自然落下の力が加わるので、下に落ちていく。このとき、下向きの力と、回転による上向きの力が釣り合うと、ボールはあたかも真っ直ぐ進むように見える。これが「直球」だ。
「直球勝負」とは、正々堂々真っ正面から立ち向かう例えだ。しかし、科学的に正確に言えば、その裏には「くせ(曲)玉」が隠されていることになる。
民法772条の2の改正問題。自民党プロジェクトチームの投げた球は、長勢法務大臣によって「くせ(曲)玉」に替えられた。結局は、「運用」「通達」で済まされそうな雰囲気だ。
改正が見送られた「300日規定」とは、「婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」(民法772条第2項)という法律だ。
離婚後に妊娠したことが医師によって証明されれば、「前夫の子」としてではなく「現夫の子」と認められるという。
しかし、これでは不十分だ。妻が夫からの暴力(ドメスティックバイオレンス)などの理由で家を飛び出した場合、離婚訴訟は夫側の非協力で長引くのが予想できる。その間に新しいパートナーと出会えば、離婚成立前に妊娠する可能性がある。
実際、今回の「通達」で救われるのは、今問題を抱えている夫婦の2割程度しかいない。無戸籍の子どもたちはこれからも存在し続けることになる。
ところで、熊本市の慈恵病院に日本で初めての「赤ちゃんポスト」が設置される。安倍首相は早速「匿名で赤ちゃんを置き去りにしていくことは、許されないのではないか」と不快感を示した。この発言は長勢法相の「離婚成立前に妊娠した女性まで救済すれば、親子関係や家族のあり方に重大な影響を与える」発言とどこか似ている。
清廉潔白な母親像がある。美しい家庭像がある。しかし、清廉潔白だけでは生きられない厳しい現実の中で、こうした問題が起きている。「新生児が放置され死亡していく姿を見るくらいなら、社会全体で救おう」と考える国々がある。「離婚の翌日、再婚して何か問題があるのか。生まれた子の父親がだれであろうと、現在の夫婦の子にしてどこが問題なのか」とする国がある。
日本という国は、単にDNA的つながりばかり気にする国のように見える。
