
なぜ、“緊急”なのだろう。
米国の真の危機は、目の前で激しく軋む金融システム危機ではなく、中長期的に基幹産業たる金融産業が衰退し、それに伴って潜在成長率が低下していくことにあるのではないだろうか。
いかなる企業も損失を生じ、赤字に転落しただけでは倒産しない。理屈の上では、たとえ債務超過に陥ったとしても、株価が暴落して無価値に近づいたとしても、資金繰りがつきさえすれば倒産しない。
北朝鮮による拉致被害者家族や支援団体は、北朝鮮への制裁解除、テロ支援国指定解除の停止を求めて連日集会を開き、サミットに集った各国首脳たちにアピールし続けている。
「多重債務問題の本質は貧困にある」
秋葉原通り魔殺人事件の加藤智大容疑者は、人材派遣会社・日研総業株式会社の社員として、関東自動車東富士工場の塗装ラインに派遣されていた。
サブプライムローン問題が火を噴いた昨年夏、京都大学大学院教授だった白川方明・日本銀行総裁は、「FRBは金利を引き下げるだろうが、代償としてインフレリスクを背負う」と語ったものだ。
金融危機の修羅場における資本調達力の圧倒的格差
開業わずか3年で新銀行東京は行き詰り、東京都による1000億円の出資は全額損失となり、400億円の都税が追加投入された。
「後期高齢者医療制度」への激しい批判をかわすべく、政府・与党は見直し作業に入った。
200年前の亡霊が甦る。その著書「人口論」で暗黒の未来を予測した経済学者T・R・マルサスの亡霊が、立ち上がる。
――渡部賢一・野村證券社長は「改革者」になれるか
「官製不況」という言葉が、さまざまなメデイアで目に付くようになった。
75歳以上の後期高齢者を対象とする新たな健康保険制度が、4月1日から始まった。野党は「現代の姥捨て山」だと政府与党を攻撃し、メデイアはお年寄りの怒り、生活の苦しさをあの手この手で取り上げる。
〜第一勧銀最後の頭取、杉田力之氏を悼む〜
米国金融危機の急速な深化は、一九九〇年代後半の日本における巨大金融機関の連鎖倒産をまざまざと思い起こさせる。
――日本の金融危機の教訓を取り違えるな――
日銀総裁人事を巡る議論で、にわかにクローズアップされたのが「中央銀行の独立性」である。民主党は、元財務次官の武藤敏郎・日銀副総裁の昇格では日銀の独立性を守れぬ、と反対した。
四角の箱をイメージしていただきたい。税の仕組みを、簡単に例えてみよう。
「新しい労働のルール」の決定と運用は、今後、労使の対話に委ねられる方向に向かうだろう。国が法律でがんじがらめに縛る時代は、もはや過ぎ去った。
〜金融立国と軍事力の関係を解く〜
税制の設計では、公平性の担保が重要になる。ただし、何をもって公平とするかは、人によって考え方、感じ方が違う。だから、税制の変更や新税の導入が難しいのである。
東京都心に農園ができる。
人には、見たくないものは見えない。見ようと努力しなければ、見えてこない。
〜民主党の力量不足とは何か〜
憤懣やるかたない口調だった。
税には、二つの基本的な考え方がある。「応能税」と「応益税」である。
誰が改革の痛みを引き受けるべきなのだろう。
日本社会のそこここに、村の掟がはびこっている。国家の法も会社の内部統制も及ばぬ、閉ざされた仲間たちの強い紐帯。談合組織は、その象徴である。摘発には常に、密室性が壁となった。
金融取引は、市場の歪みを利用して利益を得る。それを、裁定取引という。歪みが大きければ大きいほど、成功したときの利益は巨額になる(注1)。
甲子園の熱戦を見て、日本の野球選手育成プログラムは完璧だと思う。全国にリトルリーグ、小中高校に野球部があり、プロ野球まで多様な、階層化された進路が用意され、大リーグへも道は開かれている。広い裾野から野球に熱意のある者、才能豊かな者を発掘、動機付けし、鍛錬し、評価、選抜するシステムが完備されている。
自然災害リスクは、数ある経済リスクのなかでも、リスクとして認識、対処しにくい。発生の確率は低く、被害規模の予測が困難で、リスク回避の費用対効果が実感できないからだ。かくて、企業も家計も地震保険購入は少数派、耐震強化などの防災投資に消極的なまま、大地震に脆弱な首都圏に店舗も住居も密集が進む。
モルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマン氏は日本の金融市場強化策の一環として、「金融報道の質が低すぎる。金融記者には修士号程度の資格取得を義務付けるべきだ」と提言する。何の学位もない金融記者だった私は、反発と反省の念が膨らむ。
経済学者の野口悠紀雄・早稲田大学大学院教授には苦い思い出がある。東京大学勤務時代、金融の最先端実務を教える大学院の開設を提案したところ、「金儲けの手段を大学で教えるのはいかがなものか」と学内の総反論に遭い、果たせなかったのである。
国民皆年金制度――二〇歳以上すべての人から定額の保険料を徴収し、六〇歳以上すべての人に給付する。この夢のシステムは一九六一年、第二次池田勇人内閣時代に導入された。厚生年金は戦前からあったが、このとき初めて自営業者、農林水産業者も公的年金の対象となったのである。
どんな企業にも、決算書には表れない資産と負債がある。高収益企業の代名詞であるtHOYAの資産は、組織の奥底まで染み込んだ「収益意識」だ。すべての意思決定が、カネを使ったら必ずリターンがあるべきだという考え方でなされる。加えて、事業運営の権限と責任の所在が明確で、組織の透明性も高いから、論理不明確な投資はありえない。
私が居住する東京都渋谷区の幼児医療費は六歳未満が無料、この一〇月から小中学生もその対象になる。私の故郷である北海道函館市は、三歳未満でも初診料は自己負担、次回以降無料になるには親の所得制限(控除所得約六〇〇万円)がかかる。公立幼稚園の入園費、月の保育日は、渋谷区二〇〇〇円、五〇〇〇円に対し、函館市は一万七〇〇円、五九〇〇円である。
その題名の通り、ケネデイ大統領をはじめ米国の“最良にしてもっとも聡明な人々”がなぜ、愚劣で非道なベトナム戦争に国民を欺いてまでのめり込んだのかを「ベスト&ブライテスト」(朝日文庫)で克明に描いた伝説のジャーナリスト、D・ハルバースタムが交通事故で逝った。
ある経済官庁課長(四八歳)の年収は約一三〇〇万円、金融機関やメーカーの第一線にいる大学の同級生たちは約一八〇〇万円(注1)。官僚の頂点である事務次官は約二二〇〇万円、メガバンク頭取は三〇〇〇万円を超える。
一九九九年の北陸電力志賀原発の臨界事故隠蔽が内部告発で暴かれて以来、九九年以前に、中部、東北、東京各電力の五原発が制御棒の脱落事故を起こし、七八年には東電福島原発で臨界事故が発生していたことが、次々公表された。
明治二六年(一八九三年)、一人のインド人青年が苦難の末、来日した。
見事に騙された。
三年前の二〇〇四年、小泉自民党が敗北した参議院選挙の与党公約「年金給付五〇%保証」を覚えておいでだろうか。
コンビニに行く度に、ここは二極化社会の象徴だと思い知らされる。店員の仕事は、差し出された商品をPOSでスキャンすることと棚の陳列ぐらいで、三日もすれば“熟練”してしまう。何十万アイテムの販売データがリアルタイムで流れ込む本部には、頭脳部隊が陣取る。データを解析し、商品政策、組織運営戦略を決め、執行する。かって、店頭と本部の間にあった、知恵と工夫に支えられた受発注その他の膨大な業務はすべてITシステムが代替した。
金融危機最中の一九九八年三月、岸暁・東京三菱銀行頭取(当時。以下同)は金子昌資・日興証券社長と二人だけの酒席で、再編を申し入れた。前年一一月、山一證券が破綻、日興の信用も大きく揺らぎ始めていた。
アフリカの精霊信仰、ブードウー教の名を冠してブードウー・エコノミクス、呪術的経済政策と揶揄されたのは、一九八〇年代のレーガノミクスであった。大幅減税を核に歳出削減、規制緩和などで高い経済成長を企図したパッケージ政策は楽観、バラ色に過ぎた。
あなたは三四歳、大手製造業の経営企画部に所属している。管理職手前の主任、年収が七〇〇万円。ある日、来年度から残業代はなし、と上司から通告される。君の業務は労働時間で測定できる性質のものではない、成果がすべてだからだ。その代わり、時間拘束はしない。自由裁量で効率を大いに高めてくれ。能力の低いものが、だらだらと残業代を稼ぐのは不公平だろう?究極の成果主義へ移行して、会社の生産性を上げるのだ――。
福井俊彦・日本銀行総裁が、再利上げの地ならしを進めている。成長率が回復するなかで実質ゼロ金利状態を長く放置すれば、いずれ持続的成長を妨げる何らかの不均衡が生じる、そう判断しているのだろう。対して、政府、市場の一部は、景気拡大も物価の足取りも弱い、再利上げは早いと牽制する。
米国独立宣言の起草者、トーマス・ジェファーソン第三代大統領が、「新聞のない政府か政府のない新聞のどちらかを選ぶなら、ためらうことなく後者だ」と述べたことはあまりに有名だ。
総務相に就任した菅義偉氏が、情報通信産業の国際競争力強化に乗り出した。確かに、携帯電話の出荷台数は、日本メーカー九社を合計しても世界三位のサムスンにすら及ばない。ルーターなどの先端通信ネットワーク機器は国内市場も外資系が独占し、見る影もない。
ため息が出る。古川一夫・日立製作所社長は、「コングロマリット・プレミアムを目指す」と言い続ける。多数の赤字部門を抱えながら、選択と集中を回避する。加重時価総額平均(時価総額÷売上高)が世界のテクノロジー企業のなかで五〇位(七月時点)という低迷も省みずに。
元IMF副専務理事で国際金融の超大物であるスタンレー・フィッシャー・イスラエル中央銀行総裁は八月の国際会議で、「欧州連合はドイツとフランスが主導した将来の戦争を避ける構造が基本であり、どの国も支配的に振舞わない。だが、東アジア連合では中国がドミナントパワーを志向している。
四年前の二〇〇二年、竹中平蔵新大臣を迎えた金融庁幹部は「問題の本質と解決策をA4版一枚にまとめ、簡潔に総理に説明、理解を得る能力」に感嘆した。
果敢なM&Aで世界首位に駆け上がったミタルスチール(オランダ)の次の照準は、アジアに向く。その恐怖が身に迫るのか、新日本製鉄は国内鉄鋼二社に加え韓国ポスコとの提携、株式持合い強化を進め、買収防衛網づくりを急ぐ。
次期首相にほぼ確定した安部普三官房長官は、政権公約の柱に教育改革を掲げた。
仮に、あなたが二つの懸賞に当たり、二日後と三ヶ月後にそれぞれ一万円を貰えるとする。だが、ともに一週間支払いを待って欲しい、その間の金利は支払う、と頼まれた。いくらなら、あなたは待てるか。実は、多くの人が、二日後の賞金の受け取りを一週間延ばす金利を三ヵ月後のそれより高く要求する。つまり、人は将来については冷静で我慢強いが、目先のことはせっかちになってしまう。
米国で銀行と証券会社を分離するグラス・ステイーガル法が制定されたのは1933年、第2次産業革命後、株式市場の大暴落から大恐慌へ発展する最中である。経営不振企業への融資回収のため、その企業に証券を発行させ一般投資家に売り捌く利益相反の濫用行為を禁止する、資本市場健全化の中核策だった。
政策通、理論家で鳴る与謝野馨・経済財政担当相はアマ囲碁七段の腕前である。碁界では、間に合わせの薄い手、悪手を「安普請」(呉清源)と呼ぶ。
AとBそれぞれの利益が対立する関係を利益相反という。AとBの立場を同一者が兼ねれば、利益相反乱用の可能性が生じる。実際に相反行為が犯せば、取引の公正、秩序が失われる。公的職に就く物が、最も自戒すべき規律である。
