
火曜日キャスター上杉隆さんから
松野頼三氏をゲストに迎えて
「白洲次郎さんはさっとジャケットを羽織って粋だった。彼は英語が堪能でね。サンフランシスコ講和条約のときなどGHQとの交渉を一手に引き受けていた。奥さんの正子さんも……」
番組終了後、90歳の元吉田茂首相秘書官は、右手に握ったステッキを床に突きながら、往時を振り返る。その老人は、朝日新聞社内のエレベーターに同乗するや「きみはいくつだ?」と聞いてきた。「37歳になります」と答える。「若いなぁ、半分以下だ、私が当選3回の時だな」と笑う。
今週のゲストは松野頼三翁。吉田茂首相秘書官、佐藤栄作首相率いる自民党佐藤派の五奉行、さらには小泉純一郎首相の指南役と、戦後の長期政権の影の役者として、つねに権力の中枢に寄り添ってきた人物だ。昔のことを語るときは好々爺だが、いまの政治を語る段になると一変する。政治家の顔に戻るのだ。番組では見事にやられてしまった。
「小泉さんとは一回も会っていません、電話もしてません」
忘れたふりなのか、実際は会っているし、電話でも話している。しかし、その瞬間は、迫力をもってそう言い切り、完全否定した。「ポスト小泉」について尋ねた時も同様だ。
「わかりません」
全然ボケてない。「三木おろし」、「ダグラス・グラマン事件」の際にみせた「政界の寝業師」ぶりは健在だった。じつは番組開始直前も、戦後の26人の首相をさらさらと諳んじてみせた。おそるべし90歳。松野頼三翁。まだまだ現役。極めて元気な古狸である。
(2006.4.27)
「白洲次郎さんはさっとジャケットを羽織って粋だった。彼は英語が堪能でね。サンフランシスコ講和条約のときなどGHQとの交渉を一手に引き受けていた。奥さんの正子さんも……」
番組終了後、90歳の元吉田茂首相秘書官は、右手に握ったステッキを床に突きながら、往時を振り返る。その老人は、朝日新聞社内のエレベーターに同乗するや「きみはいくつだ?」と聞いてきた。「37歳になります」と答える。「若いなぁ、半分以下だ、私が当選3回の時だな」と笑う。
今週のゲストは松野頼三翁。吉田茂首相秘書官、佐藤栄作首相率いる自民党佐藤派の五奉行、さらには小泉純一郎首相の指南役と、戦後の長期政権の影の役者として、つねに権力の中枢に寄り添ってきた人物だ。昔のことを語るときは好々爺だが、いまの政治を語る段になると一変する。政治家の顔に戻るのだ。番組では見事にやられてしまった。
「小泉さんとは一回も会っていません、電話もしてません」
忘れたふりなのか、実際は会っているし、電話でも話している。しかし、その瞬間は、迫力をもってそう言い切り、完全否定した。「ポスト小泉」について尋ねた時も同様だ。
「わかりません」
全然ボケてない。「三木おろし」、「ダグラス・グラマン事件」の際にみせた「政界の寝業師」ぶりは健在だった。じつは番組開始直前も、戦後の26人の首相をさらさらと諳んじてみせた。おそるべし90歳。松野頼三翁。まだまだ現役。極めて元気な古狸である。
(2006.4.27)
