2/5(火) 「オー・クン ありがとう」 朝7:10〜ほか
制作 CICR インドシナ難民の明日を考える会
撮影 鈴木伊織
カンボジアで支援活動おこなうボランティア団体の記録
CICR インドシナ難民の明日を考える会
1989年 神奈川県の高校教師 永瀬一哉さんを中心に設立
在日インドシナ難民の生活支援やカンボジアを主に現地での教育支援や
井戸の供給など行う。
問い合わせ TEL 090−9676−8238
ホームページ http://homepage2.nifty.com/CICR/ Eメール chomreapsuor@yahoo.co.jp
鈴木伊織
神奈川ニュース映画協会などを経て、現在、フリーの映像ディレクター。
主にドキュメンタリーを中心とした映像制作に従事。
代表作「バクの川−われら鶴見川流域人」、「歪められた遺伝子」など。
●「オー・クン ありがとう」DVD販売のお知らせ
CICRの活動20周年を記念してDVD(約30分)
「オー・クン ありがとう」を制作・販売しています
定価3000円
申し込みはchomreapsuor@yahoo.co.jpまで
●CICR永瀬一哉さん 鈴木伊織さんからメッセージ
《 「CICR インドシナ難民の明日を考える会」代表 永瀬一哉さん 》
〜本当の支援は、現地に足を運び、現地の声に聞いてこそ見えてくる〜
私たちは約20年前から、神奈川県相模原市を中心に、
インドシナ難民とも言われる在日のベトナム人、ラオス人、カンボジア人らの
日本での定住のお手伝いをするというところから活動をはじめました。
そして、その中でも特に、カンボジア人たちとともに、
カンボジア本国での教育支援、例えば校舎の再建、図書館の建設をはじめ、
地方の村での生活支援、井戸の供給などに力を入れて支援活動を続けています。
これまでに20回以上現地を訪問しましたが、毎回、現地の方々との交流では
驚かされることがたくさんあります。
また、ある種、この驚きこそが、我々の楽しみでもあります。
カンボジアへの支援活動ということなんですが、
正直、日本社会でいるとカンボジアの現実はよくわかりませんし、
具体的にどういう活動をすればよいのか見えてきません。
例えば、ある地方の崩れそうな小学校の再建に関わる機会があったのですが、
これは、日本からの寄付もたくさん頂いて、再建もうまくいったのですが、
実はその後、お金が少し余ったんですね。
それで、そのお金で何かを次の支援を考えようという話になったのですが、
そこで我々日本人が考えたプランは
図書館をつくろう、食堂をつくろう、パソコンを送ろうという意見でした。
でも、具体的に何をするのかまとまらず、結局、何をつくるかは直接、現地の人間にまかせてみました。
そしたら、彼らは何をしたかというと、井戸を掘ってトイレを作ったんですね。
これがある我々のショックの始まりだったのかも知れません。
井戸とかトイレとかは現地にはもう必要のない支援だと思っていたのです。
今にして思うと当然のことなんですが、ただ、ものを与えるのは日本の発想ですね。
例えば、パソコンはどうなのか、電気はいっていません。
食堂は、給食は? カンボジアにはそんな習慣はありません。
そして図書館は? 当時、現地の小中学校で図書館をもっているところはほとんどありませんでした。つまり、私達は彼らを先進国の目で見ていたんですね。
以来、私は現地を見て、そこに住むの人たちから、
今、何が必要かを聞くことが、このCICRの支援活動の一番大事だと考えています。
つまり現地のニーズにあってなければ全く意味がないんです。
今回の井戸を掘ることを始めたのも、
そうした現地の声を取り入れて本格的に始めましたのが理由です。
井戸は1本、2〜3万円で制作することができますので、
これは日本人でも支援しやすい金額だと思います。
今、カンボジア各地で5つの井戸を供給することができました。
また、飲み水の安全に関する水質調査も日本から専門家を招いて行っています。
確かに川の水が体に悪いと分かっていても、公務員の給料が日本円で月3000円くらい。
井戸1本をつくるには現地の給料では10か月分が必要です。
だから仮に井戸水がいいと分かっていてもそう簡単に掘れるものではない。
で、目の前に少々きたなくても、川の水や雨水がタダで飲めるのであれば、
そちらのほうを選んでしまうのは当然だろうと思います。
その結果、日本人だと簡単にできる支援が現地だとなかなか実現できない。
そうした現状を、我々が理解した上で、“おしつけ”にならない支援活動をしていくか。
そのためにも、本当の支援は、現地に足を運び、現地の声に聞いてこそ見えてくるのだと考えています。
《 「オー・クン ありがとう」ディレクター 鈴木伊織 》
〜カンボジアの自立のために何が必要か〜
この「オー・クン」を通じて感じて欲しいのは、カンボジアの戦後復興がちゃんとできているか。
カンボジア人が“自立”するために何をしないといけないかということです。
今回フリーJでご紹介したのはCICRの図書館の建設と井戸水の供給、
これは“人材の育成”と“生活そのもの”の支援ということです。
カンボジア人たちは、自分のおかれてきた環境や歴史はすごく理解していると思います。
例えば、戦争の恐ろしさや、生活のためには働かなくてはいけないなどです。
でも、一方でそれは、子どもたちに、教育の機会を与えるということを奪うことでもあるのです。
学校を作っても、親が学校にいかせない。そんな、ただ学校に行くという当たり前のことが理解できない。教育を受けるということが、自分の将来を変えるための力や自分たちの文化をつくることだいうことが
なかなか理解できないのも現状だと思います。
以前、CICRの永瀬代表が、カンボジアで、学校をつくったりすると
現地の人が「ありがとう」と言った後に「で、次は何をつくってくれるのですか」
「次はこれをつくってください」と簡単に言ってくることに驚かされたと話していました。
これは、カンボジアの人たちの心の中に、ものがないこと、誰かから与えてくれること、支援されることに慣れてしまっている現実が見えてきます。これでは本当の自立ではありません。
一方、ものがないというのは、知識がないということです。
カンボジア人は確かにものがないかも知れませんが、
知識に対する好奇心はものすごくあります。
これは日本の子どもたちと比べものにならないくらい、
何かを学ぶことに積極的ですね。
そしてカンボジアの自立に向けて何が必要か。
人材育成という点では、これからはより思想や哲学的なもの、
自分の将来を変えるための力や自分たちの文化をつくることに
何を学ぶのかに力を入れるべきだと考えています。
今、カンボジアは欧米や日本からの観光が増えて、
アンコールワットなどは観光地としてにぎわいを見せています。
それで現地の若者たちは、欧米人との交流を通して英語の習得に非常に熱心になっています。
英語ができるかできないかで仕事のあるなしに差がでるのです。
その意味では、今後のカンボジアの復興には“観光”が重要なウェートを占めるのは
間違いないと思います。
※取材・構成・朝日ニュースター 白川貴弘
撮影 鈴木伊織
カンボジアで支援活動おこなうボランティア団体の記録
CICR インドシナ難民の明日を考える会
1989年 神奈川県の高校教師 永瀬一哉さんを中心に設立
在日インドシナ難民の生活支援やカンボジアを主に現地での教育支援や
井戸の供給など行う。
問い合わせ TEL 090−9676−8238
ホームページ http://homepage2.nifty.com/CICR/ Eメール chomreapsuor@yahoo.co.jp
鈴木伊織
神奈川ニュース映画協会などを経て、現在、フリーの映像ディレクター。
主にドキュメンタリーを中心とした映像制作に従事。
代表作「バクの川−われら鶴見川流域人」、「歪められた遺伝子」など。
●「オー・クン ありがとう」DVD販売のお知らせ
CICRの活動20周年を記念してDVD(約30分)
「オー・クン ありがとう」を制作・販売しています
定価3000円
申し込みはchomreapsuor@yahoo.co.jpまで
●CICR永瀬一哉さん 鈴木伊織さんからメッセージ
《 「CICR インドシナ難民の明日を考える会」代表 永瀬一哉さん 》
〜本当の支援は、現地に足を運び、現地の声に聞いてこそ見えてくる〜
私たちは約20年前から、神奈川県相模原市を中心に、
インドシナ難民とも言われる在日のベトナム人、ラオス人、カンボジア人らの
日本での定住のお手伝いをするというところから活動をはじめました。
そして、その中でも特に、カンボジア人たちとともに、
カンボジア本国での教育支援、例えば校舎の再建、図書館の建設をはじめ、
地方の村での生活支援、井戸の供給などに力を入れて支援活動を続けています。
これまでに20回以上現地を訪問しましたが、毎回、現地の方々との交流では
驚かされることがたくさんあります。
また、ある種、この驚きこそが、我々の楽しみでもあります。
カンボジアへの支援活動ということなんですが、
正直、日本社会でいるとカンボジアの現実はよくわかりませんし、
具体的にどういう活動をすればよいのか見えてきません。
例えば、ある地方の崩れそうな小学校の再建に関わる機会があったのですが、
これは、日本からの寄付もたくさん頂いて、再建もうまくいったのですが、
実はその後、お金が少し余ったんですね。
それで、そのお金で何かを次の支援を考えようという話になったのですが、
そこで我々日本人が考えたプランは
図書館をつくろう、食堂をつくろう、パソコンを送ろうという意見でした。
でも、具体的に何をするのかまとまらず、結局、何をつくるかは直接、現地の人間にまかせてみました。
そしたら、彼らは何をしたかというと、井戸を掘ってトイレを作ったんですね。
これがある我々のショックの始まりだったのかも知れません。
井戸とかトイレとかは現地にはもう必要のない支援だと思っていたのです。
今にして思うと当然のことなんですが、ただ、ものを与えるのは日本の発想ですね。
例えば、パソコンはどうなのか、電気はいっていません。
食堂は、給食は? カンボジアにはそんな習慣はありません。
そして図書館は? 当時、現地の小中学校で図書館をもっているところはほとんどありませんでした。つまり、私達は彼らを先進国の目で見ていたんですね。
以来、私は現地を見て、そこに住むの人たちから、
今、何が必要かを聞くことが、このCICRの支援活動の一番大事だと考えています。
つまり現地のニーズにあってなければ全く意味がないんです。
今回の井戸を掘ることを始めたのも、
そうした現地の声を取り入れて本格的に始めましたのが理由です。
井戸は1本、2〜3万円で制作することができますので、
これは日本人でも支援しやすい金額だと思います。
今、カンボジア各地で5つの井戸を供給することができました。
また、飲み水の安全に関する水質調査も日本から専門家を招いて行っています。
確かに川の水が体に悪いと分かっていても、公務員の給料が日本円で月3000円くらい。
井戸1本をつくるには現地の給料では10か月分が必要です。
だから仮に井戸水がいいと分かっていてもそう簡単に掘れるものではない。
で、目の前に少々きたなくても、川の水や雨水がタダで飲めるのであれば、
そちらのほうを選んでしまうのは当然だろうと思います。
その結果、日本人だと簡単にできる支援が現地だとなかなか実現できない。
そうした現状を、我々が理解した上で、“おしつけ”にならない支援活動をしていくか。
そのためにも、本当の支援は、現地に足を運び、現地の声に聞いてこそ見えてくるのだと考えています。
《 「オー・クン ありがとう」ディレクター 鈴木伊織 》
〜カンボジアの自立のために何が必要か〜
この「オー・クン」を通じて感じて欲しいのは、カンボジアの戦後復興がちゃんとできているか。
カンボジア人が“自立”するために何をしないといけないかということです。
今回フリーJでご紹介したのはCICRの図書館の建設と井戸水の供給、
これは“人材の育成”と“生活そのもの”の支援ということです。
カンボジア人たちは、自分のおかれてきた環境や歴史はすごく理解していると思います。
例えば、戦争の恐ろしさや、生活のためには働かなくてはいけないなどです。
でも、一方でそれは、子どもたちに、教育の機会を与えるということを奪うことでもあるのです。
学校を作っても、親が学校にいかせない。そんな、ただ学校に行くという当たり前のことが理解できない。教育を受けるということが、自分の将来を変えるための力や自分たちの文化をつくることだいうことが
なかなか理解できないのも現状だと思います。
以前、CICRの永瀬代表が、カンボジアで、学校をつくったりすると
現地の人が「ありがとう」と言った後に「で、次は何をつくってくれるのですか」
「次はこれをつくってください」と簡単に言ってくることに驚かされたと話していました。
これは、カンボジアの人たちの心の中に、ものがないこと、誰かから与えてくれること、支援されることに慣れてしまっている現実が見えてきます。これでは本当の自立ではありません。
一方、ものがないというのは、知識がないということです。
カンボジア人は確かにものがないかも知れませんが、
知識に対する好奇心はものすごくあります。
これは日本の子どもたちと比べものにならないくらい、
何かを学ぶことに積極的ですね。
そしてカンボジアの自立に向けて何が必要か。
人材育成という点では、これからはより思想や哲学的なもの、
自分の将来を変えるための力や自分たちの文化をつくることに
何を学ぶのかに力を入れるべきだと考えています。
今、カンボジアは欧米や日本からの観光が増えて、
アンコールワットなどは観光地としてにぎわいを見せています。
それで現地の若者たちは、欧米人との交流を通して英語の習得に非常に熱心になっています。
英語ができるかできないかで仕事のあるなしに差がでるのです。
その意味では、今後のカンボジアの復興には“観光”が重要なウェートを占めるのは
間違いないと思います。
※取材・構成・朝日ニュースター 白川貴弘
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