朝日グループのニュースチャンネル
文字サイズ 大 標準
朝日ニュースターとは視聴方法よくある質問サイトマップHOME
週間番組表月間番組表番組一覧プレゼントご意見・ご感想メールマガジン
素敵な宇宙船地球号
この番組は…
放送内容
リンク
放送内容
2/10(日)朝9:30〜10:00
「大都会の緑のカプセル」
〜地球にやさしいゴルフ場とは?〜

かつて、「自然破壊」の代名詞とさえいわれたゴルフ場。都心周辺から自然が消えた今、ゴルフ場は「自然に囲まれた気持ちがいい場所」として見直されています。

神奈川県川崎市にある「川崎国際生田緑地ゴルフ場」。住宅に囲まれた市街地にあるゴルフ場です。もともとは、昭和22年、アメリカ軍のために作られたそう。現在は市営のゴルフ場として使われています。
当時、ここの地区には約40戸の集落がありました。「滝沢の池」を水源としたのどかな田園風景に、突然ゴルフ場の話が持ち上がったのです。住民たちは、代々受け継いできた田畑を手放すのに抵抗感もありましたが、自然にやさしいゴルフ場を造ることを条件に、最後は開発に同意したのです。

こうして造られた「自然と共生するゴルフ場」には、オシドリが暮らす野鳥たちの楽園として、「滝沢の池」が残されています。林の中にはタヌキの親子も姿をみせます。フクロウやキジも。土の中にはミミズがいて、ミミズを狙って集まってきたモグラが、時折コースに穴をあけてしまうこともあるとか。普通のゴルフ場なら駆除してしまうところですが、そこは、自然にもモグラにも優しいゴルフ場。ここには、昔、里山にいたような生き物たちが、生き延びているのです。「滝沢の池」からは、コースを縫うように小川が流れています。小川は、ゴルフ場の外を出て、近隣の住宅地につながっていました。ゴルフ場の隣に広がる豊かな森林は、「とんもり谷戸」と呼ばれています。この森、一時は人々から忘れ去られ、荒れた竹藪になっていましたが、地元に人で結成する「とんもり谷戸の自然を守る会」によって再生されました。

「とんもり谷戸の自然を守る会」では、ホタルを育てる活動もしています。ゴルフ場の小川に、ホタルの幼虫の餌となるカワニナも放流し、この夏にはホタルを甦らせることに成功しました。しかし、ゴルフ場内を流れる川は、途中、暗渠となっているため、ホタルの生息区域を広げるにも限界があります。そんなとき、ゴルフ場では小川を造る計画が持ち上がっていました。そこで、住民とゴルフ場が一緒になって小川造りが始まったのです。これまで暗渠だった流れが小川になれば、ホタルが暮らせる環境を広げることができる、住民たちの期待が集まったプロジェクトが始まりました。
ゴルフ場のすぐ隣には、緑豊かな生田緑地の森が広がっています。民家園や美術館など、多くの人々が訪れる川崎市民の憩いの場です。今、川崎市では、生田緑地とゴルフ場を基点とし、多摩丘陵から三浦半島にかけて緑の回廊を広げていく計画が動き始めています。動植物の生態系を守っていこうとしているのです。これまでは、ゴルフをしない人にはどうもマイナスイメージの先行していたゴルフ場ですが、利用者を多角化することで、親しみやすく、好感の持てる場所になるかもしれません。

ゴルフ銀座として名高い千葉県では、周辺環境に配慮し、1990年、ゴルフ場の無農薬宣言をしました。一時は芝生保護のために使う大量の農薬による、汚染が問題になっていましたが、県は環境に優しく、農薬を使わずとも1年中青々する芝の開発に成功したのです。画期的な新種は、千葉の頭文字をとって「CY2」と名付けられました。
 芝は生長する過程で大量の二酸化炭素を取り込み酸素を供給することで、ゴルフ場に酸素豊かな気持ちがいい環境を実現しています。かつて、無秩序な乱開発があったのも拭い切れない事実です。しかし皮肉なことに、今や都市部ではゴルフ場は緑が残る貴重な場所。壊した自然を元に戻すことはできませんが、時を重ね、緑のカプセルになったゴルフ場。今、そこに残された自然を有効活用することが問われています

ナレーター:春風亭小朝  ナビゲーター:井上和香
放送時間
日曜 
午前9:30〜10:00