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素敵な宇宙船地球号
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11/11(日)午前9:30〜10:00
「外来種は警告する Vol.5
大都会の水がめを襲う侵略者」


関東地方の水がめ、霞ヶ浦。元々、海水と淡水が混じりあう汽水湖でしたが、周囲の農地に及ぼす塩害を改善しようと河口堰が設けられ、1968年、淡水化されました。しかし直後からアオコが発生し、水質の悪化により生態系は激変。かつてはワカサギやシラウオ、コイなどの漁が盛んでしたが、70年代を境に漁獲高は減り続けました。また、追い打ちをかけるように2003年、全国一の生産量だったコイがコイ・ヘルペスにより大量死し、翌年には全ての養鯉業者が廃業に追い込まれました。在来種に代わって生き残ったのが強い外来種。中国原産のハクレンや中国・朝鮮原産のカムルチーなど、養殖業者が導入したものの、買い手が無く放流された外来魚が増えてしまったといいます。
アメリカ合衆国・五大湖では、ヨーロッパ原産のウミヤツメという外来魚が問題になっていました。吸盤状の口で魚の血を吸い、死に至らしめてしまう寄生魚で、昔から行われてきたマス漁に被害をもたらしています。ウミヤツメが侵入した原因は貨物船のバラスト水。バラスト水とは、積荷を降ろして軽くなった貨物船が安定のために取り込む水のことで、ヨーロッパで取り込んだバラスト水を五大湖で放出することで、そこに含まれていたヨーロッパ地域特有の生物が五大湖に広がっていったのです。また、同様にバラスト水で運ばれたカスピ海原産のゼブラガイが1989年、五大湖で爆発的に発生、水道パイプを詰まらせてしまいました。大規模な断水が発生し、学校や病院は閉鎖、地域を機能停止に陥れました。そんなアメリカが外来生物対策のために投じる費用はなんと、年間12兆円。それでも、被害を考えれば安いと、研究者は言います。
しかし、日本にも同じように大量増殖する外来種が侵入しています。2004年、愛知県の矢作川で中国・東南アジア原産のカワヒバリガイが発見され、上流にある水力発電の越戸ダムを点検すると、カワヒバリガイが10センチもの厚さで壁を覆っていました。はぎ落とすのも大変な苦労、しかも、06年秋には突然の謎の大量死により、ひどい悪臭と水質悪化を招きました。
霞ヶ浦でも06年、カワヒバリガイが発見され、既に湖の半分まで生息が広がっていることもわかりました。200キロ上流の大塩湖でも大発生が確認され、このカワヒバリガイが大量に産卵し、利根川を下りながら成長し、一部が霞ヶ浦にたどり着き、コンクリートの護岸や石などに定着、繁殖したのではないかと考えられています。もしも東京に侵入したら、コンクリートに覆われた暗渠が多いため、発見は困難です。大量死すれば東京は悪臭に覆われ、水道水も飲めなくなるかもしれません。
一方、神戸市の小学生、鈴木仁君は、近所で見つけた不思議な植物の分布を06年の夏休みの自由研究で調べました。外来種に詳しい植物学者のお父さんに聞くと、それがチョウセンアサガオというナス科の要注意外来生物だということがわかりました。自由研究で調べてから一年経ち、分布が広がっていることを鈴木君は気にしています。きれいな花が咲かせるこの植物が、死にいたることもある毒を持つことを知らずに、植えてしまう人がいるのです。また、一見かわいらしいヌートリアという南米原産の動物は、日本には戦時中、毛皮の需要から持ち込まれました。養殖が簡単なヌートリアは世界中で飼育されましたが、野生化したものが大繁殖して、各地で問題を起こしています。アメリカ・ルイジアナ州ではヌートリアが堤防に穴を掘って壊してしまい、地盤沈下と海面上昇による湿地の消滅をさらに加速させています。SWATまでもが駆除に乗り出しましたが、焼け石に水でした。日本でも、岡山県では年間2000頭が捕獲されています。堤防に巣穴を掘ったり、農作物を荒らしたりしてしまうからとはいえ、元は人間が持ち込んだものなのです。
あっという間に増殖してしまう危険な外来生物。私たちの気づかないところで侵入や繁殖を続けています。
ナレーター:室井 滋
放送時間
日曜 
午前9:30〜10:00