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3/4(日)午前9:30〜10:00
京都地下水物語〜古都を支えたナゾの地下水脈

京料理、茶、華麗な染物・・・・・・・、京都の伝統は水と深く関わっています。今回はこの京都の水の秘密を、天才的舌を持つソムリエ・田崎真也が探りました。まず向かったのは東京・赤坂の京料理の老舗「菊乃井」。本店のある京都から出汁に使う水をわざわざ運んでいます。東京の名水、武蔵野の水と飲み比べると、京都の水の方がミネラル分が少なく「やわらかい」。二つの水でこぶの出汁をとると、やはり東京の水で取った方は苦味が残りましたが、菊乃井の水で取った方は「口に入れた瞬間にうまみが広がる」のだそうです。

京都の暮らしには地下水が身近にあります。もともと魚市場だった錦市場の成り立ちにも地下水が関係していました。海から遠い京都で、新鮮な魚を保存するために、江戸時代から小部屋のようになっている井戸を天然の冷蔵庫として使っていたのです。

近年の調査で、実は京都盆地の地下には膨大な量の地下水があり、その量は琵琶湖に匹敵する、ということが分かりました。とても良質な地下水が溜まっており、その唯一の出口が天王山と男山です。二つの山に挟まれた大山崎町に目をつけたのがサントリーでした。豊富で良質な水を得やすいこの場所に国産初のウイスキー工場を作ったのです。一方、山から新鮮な水が注ぎ込む盆地の北部には、京都御所があります。江戸時代に作られた御所の地図には100ヶ所以上の井戸の印がはっきりと記されているのです。そして京都の南、宇治川沿いに広がる伏見はその恵みを酒造りに生かしてきました。なめらかな味わいの決め手はその地下水なのです。

しかし、時代は変わり、京都の中心部もこの20年で古い建物が消え、地下鉄整備が進みました。こうした開発は、湯葉や豆腐、旅館など井戸の水をふんだんに使う店への影響が心配されます。地下鉄開通の影響で深さが変わった3軒の水を田崎が飲み比べてみました。硬度の違いはあるにしてもやはり水単体ではとても美味しい水だと言います。豆腐屋さんのお豆腐もとても美味しく、味への影響はないようです。

一方で、下水工事や道路の舗装で深刻な影響を受けた神社もあります。右京区太秦にある平安時代から続く古い神社では、境内に千年以上も湧き水をたたえてきた聖なる池が突然干上がってしまいました。宮司さんによると降った雨が地下へ浸透して地下水として出てくるのではなく、全部川から海に流れてしまうという状況だそうです。

京都の水が生み出した文化、茶道。その茶道の家元、裏千家前家元、千玄室氏は「水というのは本当に自然の恵み。それに人間が生かされてきたっていうのは、非常に大事。だからこそ、都ではすべて衣食住が水に関わっている訳なのです」と言います。京都が1200年もの間日本の中心でありつづけた理由のひとつに、この豊かな水があります。その自然の恵みに感謝する気持ちを、もう一度思い出したいものです。

ナレーター:緒形 拳   ナビゲーター:田崎 真也
放送時間
日曜 
午前9:30〜10:00