
1/21(日)午前9:30〜10:00
東京ふしぎ水探検〜地下水が巨大都市を救う
大都会・東京――。一見、コンクリートに渇いた街も、実は地下水の宝庫だということを知っていますか? その水はどこから湧いてくるのか…。その謎を解くべく、まず初めに深大寺を訪れました。1300年の古刹、深大寺は水の神を祀るお寺。境内の点在する池には、周りの崖の中から水がわき出していました。
実は、ここ深大寺の湧き水に、東京の地下水の謎が秘められていました。まず一つ目は、深大寺の標高が50メートルにあること。これを意識して地図を広げると、井の頭公園、善福寺池、富士見池など都内有数の大きな池が同じ標高50メートルに並んでいることが分かります。
二つ目は、水が地層の間から湧き出していることです。東京の地層は、下から基盤岩(きばんがん)、礫(れき)層、関東ローム層の順に重なっています。地下水が流れ出しているのは真ん中の礫層の中です。実はこの礫層に含まれている石は多摩川の河原と同じもの。つまり、海の底にあった東京が次第に陸地になったとき、その上を多摩川が移動ながら流れたときにできた地層なのです。その上に富士山の火山灰が降り積もり、関東ローム層が作られました。今日の東京はその上にできあがっています。
東京に湧き出す地下水の正体は大地に降り注いだ雨水だったのです。それが長い長い年月かけて染み込み、礫層がむき出しになっている崖からは、染み込んだ水がわき出てきているというわけです。そして先ほどの「標高50メートル」の謎は、最も地下水が地表に近づきやすく、湧き出しやすい標高、それが50メートルだったのです。
東京の豊富な地下水を実感できる場所は、いくつかあります。まず一つが国分寺周辺から世田谷にまで連なる長さ30キロの崖が続く国分寺崖線(がいせん)。ここの崖には豊富な地下水が湧き出して、「名水百選」になっている名所です。最も有名なのは「真姿(ますがた)の池湧水群」。近所の人たちがペットボトルを手に湧き水を汲みに訪れるほどです。
また、近頃都内に続々とオープンしている温泉施設も地下水を利用したもの。「東京の温泉」の特徴は、黒みがかっていること。場所によっては醤油のような真っ黒いお湯もあります。基盤岩に含まれる貝殻や魚の骨などの有機物の成分が地下水に溶け出したために、黒いお湯になったといいます。
こうした過去から受け継いだ財産である地下水を、現代の生活に役立てる動きが各地で繰り広げられています。銀座などの繁華街を抱える中央区では、区内22箇所に災害用の井戸を設置しました。また、これまで下水処理していた東京駅の地下水は10キロ以上離れた品川区の立会川に流され、川を浄化させる役目を果たしています。住宅メーカーでは、究極の省エネ住宅を目指して地下水を汲み上げて冷暖房に活用する実験も進んでいます。
悠久の時を越えて繰り返されてきた水の営み。巨大都市を生み、育て、守ってきた地下水の存在に気付いたとき、私たちの生活は、もっともっと豊かになるのかもしれません。
ナレーター:緒形 拳 ナビゲーター:石原 良純
大都会・東京――。一見、コンクリートに渇いた街も、実は地下水の宝庫だということを知っていますか? その水はどこから湧いてくるのか…。その謎を解くべく、まず初めに深大寺を訪れました。1300年の古刹、深大寺は水の神を祀るお寺。境内の点在する池には、周りの崖の中から水がわき出していました。
実は、ここ深大寺の湧き水に、東京の地下水の謎が秘められていました。まず一つ目は、深大寺の標高が50メートルにあること。これを意識して地図を広げると、井の頭公園、善福寺池、富士見池など都内有数の大きな池が同じ標高50メートルに並んでいることが分かります。
二つ目は、水が地層の間から湧き出していることです。東京の地層は、下から基盤岩(きばんがん)、礫(れき)層、関東ローム層の順に重なっています。地下水が流れ出しているのは真ん中の礫層の中です。実はこの礫層に含まれている石は多摩川の河原と同じもの。つまり、海の底にあった東京が次第に陸地になったとき、その上を多摩川が移動ながら流れたときにできた地層なのです。その上に富士山の火山灰が降り積もり、関東ローム層が作られました。今日の東京はその上にできあがっています。
東京に湧き出す地下水の正体は大地に降り注いだ雨水だったのです。それが長い長い年月かけて染み込み、礫層がむき出しになっている崖からは、染み込んだ水がわき出てきているというわけです。そして先ほどの「標高50メートル」の謎は、最も地下水が地表に近づきやすく、湧き出しやすい標高、それが50メートルだったのです。
東京の豊富な地下水を実感できる場所は、いくつかあります。まず一つが国分寺周辺から世田谷にまで連なる長さ30キロの崖が続く国分寺崖線(がいせん)。ここの崖には豊富な地下水が湧き出して、「名水百選」になっている名所です。最も有名なのは「真姿(ますがた)の池湧水群」。近所の人たちがペットボトルを手に湧き水を汲みに訪れるほどです。
また、近頃都内に続々とオープンしている温泉施設も地下水を利用したもの。「東京の温泉」の特徴は、黒みがかっていること。場所によっては醤油のような真っ黒いお湯もあります。基盤岩に含まれる貝殻や魚の骨などの有機物の成分が地下水に溶け出したために、黒いお湯になったといいます。
こうした過去から受け継いだ財産である地下水を、現代の生活に役立てる動きが各地で繰り広げられています。銀座などの繁華街を抱える中央区では、区内22箇所に災害用の井戸を設置しました。また、これまで下水処理していた東京駅の地下水は10キロ以上離れた品川区の立会川に流され、川を浄化させる役目を果たしています。住宅メーカーでは、究極の省エネ住宅を目指して地下水を汲み上げて冷暖房に活用する実験も進んでいます。
悠久の時を越えて繰り返されてきた水の営み。巨大都市を生み、育て、守ってきた地下水の存在に気付いたとき、私たちの生活は、もっともっと豊かになるのかもしれません。
ナレーター:緒形 拳 ナビゲーター:石原 良純
