プレ・アンコール文化

12世紀から13世紀にかけてカンボジアのトンレサップ湖の
河畔にヒンズーと仏教が結びついたアンコール文化が
花咲いたことは広く知られているが、この絢爛たる文化の
源になったプレ・アンコール文化については語られることが少ない。
2000年の昔、メコンデルタに扶南というクメールの国が誕生する。
扶南は海のシルクロードの要衝として発展した。
今はメコンデルタの真中に位置しているオケオは当時国際港湾都市だったとされている。
オケオからは中国の仏陀像やローマン・コインが出土している。
当然、インド商人も中国との貿易の中継地として大勢やってきた。
まさにインドシナであった。
この地にインドのヒンズー文化と土着の文化が混合したプレ・アンコール文化が生まれた。
オケオではこの他、土器の破片などが出土しているが、1944年フランスが発掘調査を
行って以来、大きな調査は行われていない。
インドシナを巡る戦争や内戦が発掘調査を阻止したためだ。
2度ほどオケオを訪ねたが、農民が出土する土器の破片などを家の建築材に使っていた。
また回りは典型的なメコンデルタの田園で、港があったというイメージは湧かない。
やがてプレ・アンコールはメコン川を遡り、1000年以上の年月をかけて
アンコール文化を生み出す。
オケオ周辺のメコンデルタには今でもクメール族が住んでいて、クメール様式の
寺では僧侶によるクメール語の授業が行われている。
メコンデルタを巡ってベトナムとカンボジアの間に微妙な感情の対立には
2000年にわたる歴史が背景になっている。
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