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永田町の舞台裏 07.09.01
やっぱり潰れるしかない

 安倍改造改革をどう評価するのか。元吉本興業常務の木村政男さんの「白い恋人内閣」というのが私には一番ぐっときた。賞味期限切れ、なのである。
 昨年の組閣もひどかった。そのとき、このコラムで「会社なら潰れるかも……」と書いたが、案の定だった。では、今回はというと、本来は社長交代がスジであることを確認したうえで論評すると、社長が業績不振の反省もしないし、自らの経営路線にも自信が持てない会社は「やっぱり潰れるしかない」と言わざるをえまい。

 ちょっと、下の表を見てもらいたい。私が勝手に考えた組閣案である。無題.JPG

 安倍さんがもし本当に、挙党態勢、適材適所で政権の浮揚と自民党の再生を図りたいのなら、まさにオール自民、大物勢揃い、究極の政党政治と言えるA案を狙うぐらいの気合が必要だろう。
 
 小泉厚労相と青木総務相、福田官房長官には断られる可能性が高いかもしれない。しかし、安倍さんが本気になって、例えば「自民党も年金も医療も介護も危機なんです。厚相を2度もつとめた小泉さんにも責任の一端がある。ぜひとも力を貸してもらいたい」と説得すればいい。安倍さんの危機感が伝わるし、断られても小泉さんが男を下げるだけである。結果、安倍さんは「コイズミの呪縛」がとけて、政権を運営しやすくなるに違いない。
 青木さん、福田さんにも「あなたの力が必要だ」と迫れば、同等の展開になるだろう。思い出して欲しい。先日亡くなった宮沢さんは首相の後、蔵相をつとめたのだから。

 非主流の加藤外相、山崎防衛相はどうかといえば、この二人は断らないような気がする。もちろん、安倍さんの「価値観外交」とか「靖国あいまい戦術」とかのカラーはますます希薄になるだろうが、おそらく国民はそれを望んでいるのではないか。内閣の信頼度は高まるに違いない。
 伊吹財務相、与謝野経財相なら、役人も喜んで働くだろう。「上げ潮路線」とかいう政策なのか願望なのか分からないような経済運営から、地に足が着いた政策が打ち出され、これも自民党再生につながるだろう。
 なによりこのメンバーが閣議で丁々発止の議論をしたら、毎回月刊誌1冊分ぐらいの政策論議になるはずだ。もちろん国会論戦でも説得力は格段に上がり、民主党は攻め手に悩むだろう。

 しかし、安倍さんにはこの種の心の広さ、戦略の大胆さは望めまい。とすると、B案である。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、周囲の目など全く頓着せず、「お友達重用」の初志を貫徹する。この内閣が誕生したら、世の中は相当に驚くし、突っ込みどころ満載の珍内閣への注目度は上がるだろう。
 義家文科相はおよそ想定外の教育改革を提案してくれるだろう。かつて主計官として防衛当局と大バトルを繰り広げた片山防衛相と事務当局の軋轢は、「小池vs守屋」どころではあるまい。丸川さんの国会答弁などは、怖いもの見たさで相当視聴率が高くなるだろう。山本外相はプレスリーの物まねどころかホワイトハウスでロックしてくれるかもしれない。世耕総務相が放送業界などに圧力をかけて、「スピンドクター」を狙ってくれれば、メディアは騒然となる。

 だが、安倍さんにはこのような破れかぶれの根性もないのだ。その結果として、いまの改造内閣がある。これでは、政権も自民党も再生しないし、安倍さんの自分のカラーも出せない。どうして安倍さんはそこらへんのところが分からないのか。まあ、続投するぐらいだから、心配するだけ無駄、ということなのだろう。(
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