
永田町の舞台裏 07.06.23
自民党、やばくないか
国会の会期が12日間延長された。それに伴って、だれもが7月22日だと思っていた参院選の投開票日が1週間ずれ込み、7月29日となった。
各党候補者ならびに関係者、それに1ヶ月も前に7月の番組表をつくって「22日に参院特番」などと宣伝していたわが朝日ニュースターなどにとっては大迷惑だが、安倍さんの決定に文句をつけるつもりはない。そう、ゲームのルールは畢竟、力が強いものが自分勝手に決めるものだ、ということを我々は十分承知しているのである。
とはいえ、この安倍さんの判断について感想を述べることまで控える必要はあるまい。
まずは、安倍さんの損得勘定はまともか、ということだ。安倍さんは、年金問題と松岡さんの自殺という参院選のマイナス要因が時間の経過とともに小さくなる、つまり「人のうわさも75日」と踏んでいるのだろう。
確かに、松岡さんの自殺について、私はもう忘れそうである。しかし、年金はどうか。国会が長引くということは野党に活躍の場を与えることとほぼ同値で、それだけ年金に有権者の視線は集まる。たとえ、我々が想像以上に忘れっぽくて、年金問題への怒りが低下したとしよう。しかしそれでも、安倍さんが土壇場でゲームのルールを変えるというズルをしたということは心に残るし、この手の感情はそう簡単には消えまい。
安倍さんの政策能力にも大いに疑問符がつく。会期延長の公式な理由は重要法案、つまり国家公務員法改正案の成立を期すことである。安倍さんはこの改正案の成立、つまり「新人材バンク」の設立によって天下りの弊害、すなわち談合などがなくなると説明しているが、そんなことを信じている人は自民党にだって見当たらない。
これまで各省ごとにやっていた天下り業務を一本にまとめたからといって、システムの実質が変わるわけではない。相変わらず国の丸抱えで再就職まで世話する法案を通したからといって、有権者の支持が増すと本気で考えていたら、相当おめでたい。
そして、このようにチューニングの悪い首相に対して、与党内から表立った批判が出ないことが私には何より異様に思える。参院選を1週間遅らせても自民党に有利になると思っている与党議員は皆無に近いし、国家公務員法改正案が参院選にプラスになると見ている政治家もほとんどいない。
そればかりか、「強行」に「強行」を重ねる国会運営にうんざりしている議員はいっぱいいるし、安倍さんの首相としての資質に懐疑的になっている人も相当いる。それなのに、なぜか安倍さんの意思が通ってしまう。
中川幹事長や二階国対委員長は何をやっているのだろうか。参院の青木さんや片山さんは。そして、党内非主流派はなぜ苦言を呈さないのか。若手からどうして何の声も上がらないのか。ここ2、3日、キレのいい発言をしているのは舛添さんぐらいではないか。
参院選で自民党は51議席は取らねばならない。しかし、いまの自民党内での相場は40〜43議席ぐらいである。自民党の国会議員の表情はもちろんさえないし、しかも立ちすくんでいるように見える。安倍さんがダブルに持ち込んだり、参院選で負けて退陣したり、政局はカタストロフィックな展開も予想されるが、自民党はそうした波乱をうまくコントロールできるのか。他人事ながら心配になる。(O)
国会の会期が12日間延長された。それに伴って、だれもが7月22日だと思っていた参院選の投開票日が1週間ずれ込み、7月29日となった。
各党候補者ならびに関係者、それに1ヶ月も前に7月の番組表をつくって「22日に参院特番」などと宣伝していたわが朝日ニュースターなどにとっては大迷惑だが、安倍さんの決定に文句をつけるつもりはない。そう、ゲームのルールは畢竟、力が強いものが自分勝手に決めるものだ、ということを我々は十分承知しているのである。
とはいえ、この安倍さんの判断について感想を述べることまで控える必要はあるまい。
まずは、安倍さんの損得勘定はまともか、ということだ。安倍さんは、年金問題と松岡さんの自殺という参院選のマイナス要因が時間の経過とともに小さくなる、つまり「人のうわさも75日」と踏んでいるのだろう。
確かに、松岡さんの自殺について、私はもう忘れそうである。しかし、年金はどうか。国会が長引くということは野党に活躍の場を与えることとほぼ同値で、それだけ年金に有権者の視線は集まる。たとえ、我々が想像以上に忘れっぽくて、年金問題への怒りが低下したとしよう。しかしそれでも、安倍さんが土壇場でゲームのルールを変えるというズルをしたということは心に残るし、この手の感情はそう簡単には消えまい。
安倍さんの政策能力にも大いに疑問符がつく。会期延長の公式な理由は重要法案、つまり国家公務員法改正案の成立を期すことである。安倍さんはこの改正案の成立、つまり「新人材バンク」の設立によって天下りの弊害、すなわち談合などがなくなると説明しているが、そんなことを信じている人は自民党にだって見当たらない。
これまで各省ごとにやっていた天下り業務を一本にまとめたからといって、システムの実質が変わるわけではない。相変わらず国の丸抱えで再就職まで世話する法案を通したからといって、有権者の支持が増すと本気で考えていたら、相当おめでたい。
そして、このようにチューニングの悪い首相に対して、与党内から表立った批判が出ないことが私には何より異様に思える。参院選を1週間遅らせても自民党に有利になると思っている与党議員は皆無に近いし、国家公務員法改正案が参院選にプラスになると見ている政治家もほとんどいない。
そればかりか、「強行」に「強行」を重ねる国会運営にうんざりしている議員はいっぱいいるし、安倍さんの首相としての資質に懐疑的になっている人も相当いる。それなのに、なぜか安倍さんの意思が通ってしまう。
中川幹事長や二階国対委員長は何をやっているのだろうか。参院の青木さんや片山さんは。そして、党内非主流派はなぜ苦言を呈さないのか。若手からどうして何の声も上がらないのか。ここ2、3日、キレのいい発言をしているのは舛添さんぐらいではないか。
参院選で自民党は51議席は取らねばならない。しかし、いまの自民党内での相場は40〜43議席ぐらいである。自民党の国会議員の表情はもちろんさえないし、しかも立ちすくんでいるように見える。安倍さんがダブルに持ち込んだり、参院選で負けて退陣したり、政局はカタストロフィックな展開も予想されるが、自民党はそうした波乱をうまくコントロールできるのか。他人事ながら心配になる。(O)



