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永田町の舞台裏 07.06.09
支持率調査を楽しみたい

 2週間前、安倍さんがダブル選挙を仕掛けるのではないか、と書いた。
 その後、松岡農水相の自殺、「宙に浮いた年金」問題の拡大など、安倍さんの命運はどんどん下降線をたどっている。その一方で、安倍さんはあの「人材バンク」を新たにつくる国家公務員法改正案の成立を指示するなど、破れかぶれな政局運営にも踏み込んだ。私には「やばい」感じが強まっているように思えるが、なお私の見方は少数派である。

 なぜか。いろいろな人に意見を聞いてみた。
 まず、多いのは前回も触れたように、しょせん安倍さんには「根性がない」という評価だ。この局面での衆院解散はあまりに「自分勝手」で「常道を踏み外している」と言う。確かにそうだ。それに、ダブルに踏み切った瞬間に公明党との連立は持たない、という解説がつく。国会議員にこの見方が多い。
 安倍さんは実は、参院選はそんなに負けないと踏んでいる、という話もあった。だいたい年金問題など自分のせいではないし、公務員改革は必ず世論の支持を得られる。それどころではない、サミットで「美しい星50」を打ち出したことで、「これでドーダ」と自らの成果を誇っているというのだ。支持率も下げ止まって、これから反転上昇だ――とかなんとか。この見立ては政治記者や評論家に多いような気がする。
 実は自民党の大勢は参院選の敗北を織り込んで、「惜敗」ならいろいろ手を尽くして政権を継続すればいいし、「大敗」なら安倍さんにお引取り願って、新たな政治秩序をつくればいい、と半ばあきらめている、と解説してくれる人もいた。自民党内にはいま、政変を仕掛ける能力も気力もない、というのだ。安倍さんもたとえ参院で過半数を割っても、次の首相候補がいないから、ギリギリ政権を運営できると考えている、という解説もある。

 ただ、私個人としてはどの説もどうも腑に落ちない。
 安倍さんがどうしても衆院解散をすると言い始めたとき、自民党が安倍さんを羽交い絞めにして、次の首相を決められるのか。思い浮かべてほしい。そんなドタバタ劇を繰り広げて、参院選を有利に闘えるだろうか。安倍さんが争点を集団的自衛権の行使に設定でもしない限り、とくに選挙でがんじがらめの公明党も直ちに連立解消とはいかないことは同党幹部も認めている。
 安倍さんに危機感がないというのはある程度そうかもしれない。しかし、これだけの情報化社会で最後まで太平楽でいられるかといえば、なかなか難しいのではないか。
 政権政党がそんな簡単に野に下れるのか、という疑問もわく。この世界、「道理は後からやってくる」というのが平均的な倫理で、政権を遮二無二に守ろうとしないということなど、わたしには想像できない。参院で過半数を割ったら、いくら衆院で多数を占めていても法案をコントロールできないというのは政治学の初歩である。野党が安倍さんに消極的にでも協力するという事態になりそうにないことは容易に想像がつく。だって、すぐ政権を倒せそうなのに、どうして敵に塩を贈るのか。

 いずれにしろ、分水嶺は次の各メディアの内閣支持率調査である。支持率が反転すれば、政変にはならないだろう。ふつうに参院選になり、想定内の結果がでる。しかし、支持率がなお降下し、20%台、それも前半になれば、何事もなく参院選に突入するという展開は考えにくい。大波乱は必至だ。
 それだけに今回の支持率調査はおもしろい。ダイレクトに政局に結びつく調査などめったにない。今月、各種世論調査で対象となる人は全国で1万人は下るまい。楽しんで、想像力を豊かにして、回答してほしい。ふだんなら面倒くさがる私も、今回だけは回答するチャンスに恵まれたいと、思う。(
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