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永田町の舞台裏 07.3.23号
予想外の『市場化テスト』

 『民間にできることは民間に…』
小さな政府を目指してこの春から始まる市場化(事業の民間委託)テストのことである。

 省庁の仕事を民間に委託する実験的な試みはこれまでにも、モデル事業のいくつかの分野が実績をあげている。
 例えば、厚生労働省。
 国民の最大の関心を呼んでいる年金について、社会保険庁の保険料徴収業務は、官よりも民間に任せた方が徴収率も上がりコスト削減になった。
 ところが、同じ厚労省の事業でも、『ハローワーク』の求人開拓事業については複雑な様相だ。
 これまでの試験的な求人の民間委託の結果、民間企業がノウハウを生かしきれず人件費がかさみ、民間にとってあまり旨みのないことが明らかになったのだった。
 このため、今年春から3年間実施される市場化テストでは、落札した民間はひとつもなかった。

 厚労省の若手官僚は言う。
「民間企業の要望があった(求人)事業を市場化テストに出したのに…。
何でもかんでも民間に開放すればいい、というものでもないことがこれではっきりした」
民間に旨みのある事業を選んで「民営化しろ」と迫るような
 今のやり方に疑問を抱いている官僚は少なくない。
「官がやって効率が悪いところこそ、民間の知恵を借りて改革すべき。
改革は否定しないが、何を民間に開放するか、業務内容を知り尽くしている
省庁側の意見をもっと聞いてもいいはず」と。

 厚労省関連では、小泉構造改革の規制緩和で法改正が行われ、
雇用は流動化したが、非正規社員が急激に増えている。
正社員との格差は目に見える形で広がった。
 最近、小泉政権で厚労相を務めた自民党の川崎二郎衆議院議員が
こうした流れに警鐘を鳴らす内容の本を出版した。
『このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸せになれるのか?』(ダイヤモンド社)
 立ち止まって、改革の先にある社会をきちんと見据えないと、
ただいたずらな民への移行は取り返しのつかないことになってしまう。  (A.S)
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