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永田町の舞台裏  07.3.9号
郵政選挙の傷は残されたまま

「(候補が)地元の人だと軋轢が持ち込まれる恐れがある。公募するしかなかった」(山梨県議)
 山梨県の自民党県連は、今夏の参院選候補を公募することにした。『軋轢』とは、あの2005年のいわゆる郵政選挙の傷だ。1年半経った今も、特に地方組織に混乱が続いている。
 山梨3区は郵政民営化の是非をめぐって、反対の立場の自民現職と小泉前首相が送り込んだ刺客・小野次郎が対決。ところがその結果、比例復活で2人の候補者がそろって当選してしまうことになった。
 この結果に地元の自民党支持者たちは混乱した。どちらが本筋の自民党議員なのか。
 その悪影響は、今年1月の山梨県知事選挙に表れた。候補をめぐって県連が分裂。その後も三役の責任問題で混乱が残ったままなのだ。
 政治決戦とされる夏の参院選でも候補者選びは難航を極め、タイムリミットが近づいてきた。だが、郵政選挙でのしこりはなかなか消えない。中央から公認の小野を押し付けられた古い支援者の不信感は強い。また小野とともに、新しい自民党を作ろうという支援者は地元活動でも一歩も引かない。話し合いで、地元からひとりの参院候補を打ち立てるのは難しい。公募は、まさに苦肉の策なのだ。
 小野は言う。
「すべてをリセットして草莽(そうもう)の士を見つけようと公募しているんです」
 しかし、果たしてここまで割れた自民党が、たとえ公募候補が決まったとしても一丸となって選挙戦を戦うことができるのか―。心配は尽きない。
「理想的なのはドライハンド、フリーハンドな人。過去のしがらみがなく、山梨のために汗をかいてくれる人。そして、若い人にも支持が広がるような候補がいい」(小野談)
 すでに今月2日に公募は締め切られ、38名が応募した。その中には、先の郵政選挙で敗れた元郵政大臣の八代英太前衆議院議員も含まれているという。

 郵政選挙の傷と言えば、中央では安倍政権にも影響を与えている。自民党は9日、郵政造反議員の一人で郵政選挙で落選した衛藤晟一の復党を認めた。近く衛藤を参院選比例候補として公認するというが、復党問題のたびに、安倍の支持率はジワリと下降曲線を描いてしまう。
 未だに引きずる『郵政選挙の影』である。   【文中敬称略】 (A・S)
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