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永田町の舞台裏 06.12.9号
 面白ければいい、では済まない

 「復党問題」が今週、一応の決着をみた。
 ここではコトの善し悪しを論じるのではなく、この2、3週間ほどの報道を問題としたい。

 ご承知の通り、大手メディアは相変わらずのはしゃぎ振りで、「踏み絵」「土下座」「情か理か」といった大時代的な言い回しで、「平沼と中川秀直の確執」とか「4人組の陰謀」とかいった、人情ドラマを茶の間にたれ流しにした。
 コメンテーターは、議会制民主主義のルールに違反しているか否か、自民党にとって復党が参院選に得か損か、泡をとばして議論した。それに伴い、なんとなく世間もヒートアップしたのではなかったか。聖子さんとゆかりさんはどっちがかわいそうか、さつきさんはどうなる、とかなんとか。
 いつもの風景である。

 そもそも、「復党問題」とは何だったのだろうか。親父に勘当された子供が、長男に「親父も隠居したんだから、そろそろ家に戻してくれてもいいだろう」と言い出したところ、家に残った兄弟や新参の養子は世間体が悪いからとか、財産分与が少なくなるとか反対している、という話と大差ないだろう。
 隣家としてはこういうときどうするか。首は突っ込まず、変な家だなあと思って付き合いを控える、というのがふつうではないか。注意深い隣人なら、隠居した親父も前言撤回にやぶさかでなかったようだし、長男も逃げ回っていて次男を悪者にしたようだから、およそ信頼できない家だな、と心にとどめるだろう。

 それがどうも、日本の大手メディアは違うようなのだ。彼らは、面白いから首をつっこむんだ、と本音を言うかもしれない。とりあえず、それはそれでいい。
 彼らはまた、世間の道理、つまり議会制民主主義にもとる問題なので看過できないのだ、と建前を言うかもしれない。しかし、それはホントかなあ。復党組に投票した人はその候補に反自民の新党をつくってもらいたかったのだろうか。いや、自民党に戻るに違いないと考えていただろう。逆に刺客に一票を投じた人も未来永劫、自民党がライバルを復党させないと考えていたのだろうか。もし、そう考えていたのなら、自民党支持をやめるのだろうか。
 いまもむかしも自民党は融通無碍だし、権力維持のためならなんでもありである。本家から分家が飛び出したり元の鞘に戻ったりするのは当たり前。何十年と敵対する家やお寺と組むことだってする。いまさら、この一族に道理を説いてどうするのだろうか。

 メディアがここで考えねばならないのは、この集中豪雨的報道の一方で、たとえば成立間近の教育基本法改正案や防衛省昇格法案の論点をどれだけ伝えたのか、という点だ。現実問題としてニュース枠は有限だから、「復党問題」の量が増えれば、それだけほかの問題の扱いは小さくなる。ここ2、3週間、民主党など野党の動きや国会審議などはほとんど報道されていない。
 これが自民党の「広報戦術」という証拠はないが、自民党によく見られる手口ではある。愚にもつかぬ話で党内がゴタゴタする。大立ち回りをする役者には事欠かないから、政治向きの話題を独占してしまう。一年前の「刺客騒動」を見れば、自民党のそうしたやり口は明らかだろう。永田町には「無名より悪名」、つまりメディアに露出したもの勝ちという言い伝えがあるぐらいだ。

 おもしろいからと言って、メディアがそれに付き合うと、その責務を果たせなくなるいい例である。報道に携わる人間は、そこのところをよく考えてもらいたい。(O)
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「7days永田町」は終了いたしました