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コラム〜永田町の舞台裏
永田町の舞台裏 06.09.30
会社なら潰れるかも……

 安倍さんという人は結構無欲なのかもしれない。今週発足した新内閣を見て、苦笑いせざるをえなかった。
 これから戦後レジームを改め、美しい国をつくるのではなかったのか。そうした気概も戦略も全くうかがえない。
 組閣にあたって安倍さんは、「適材適所」と「老・壮・青のバランス」という方針を掲げ、「別荘に籠って構想を練った」(各種ニュースの表現)という。しかし――。「バランス」というのは下手くそ人事の事前の言い訳だから、まとも受け取る必要はない。一方、「適材適所」も言わずもがなだし、歴代首相もそう言っていた。そして、歴代内閣でもそれは単なるお題目だったが、今回はその乖離が酷すぎる。

 私に適材適所と思えるのは、久間防衛庁長官だけだ。在日米軍再編の実現やその費用の捻出、集団的自衛権に関する国会答弁、防衛省への格上げ法案などを考えると、自民党内に久間さんを上回る適材は数人しかいない。
 「材」は別にして、「所」が違うのではないかと思うケースもある。これまでの実績から、長勢法相は厚労相に、柳沢厚労相は財務相に、尾身財務相は経産相になぜ充てないのだろう。伊吹文科相もミスマッチだ。
 留任した麻生さんに外相の資質がないとは言わない。しかし、日中、日韓関係の改善を目指すという割に、なぜこれまでの停滞に責任の一端がある麻生さんを外相で遇するのか。塩崎官房長官、菅総務相、山本金融相を使いたいのは、人情で理解できる。しかし、本当にこのポストがふさわしいだろうか。
 「材」に問題がある人は――と続けたいが、不穏当なのでここでは言及しない。

 視点を変えよう。では、安倍さんは内閣をあきらめて、持論の「官邸強化」を図ったと言えるのか。補佐官を「お友達」で固めることに目くじらをたてるつもりはないが、安倍さんは世耕さん以外の4人はどのぐらいの結果を出せると踏んでいるのだろう。
 この点、小泉さんの人事はうまかった。竹中さんの重用は人事としては傑作だろう。真紀子さんが外相だったこともあった。福田さんの官房長官というのも第3者的にはおもしろかった。逆説的になるが、武部さんの幹事長なんて神業と言える。適材適所とはいえまいが、人事の妙味を感じた。
 実は安倍さんが麻生幹事長、与謝野官房長官で動いたという確かな証言がある。いろんなしがらみで、我を通せなかったのだろう。ただ、そうした事情を勘案しても、結果が悪すぎる。

 安倍内閣の最初の支持率は63%(朝日新聞)。これは世間の予想より低かったはずだし、男性より女性の支持率が高かったという。会社であれ、役所であれ、10年も組織で働けば人事の要諦はつかめる。こんな会社すぐつぶれてしまう。そう感じている勤め人が結構多いのではないか。この数字を、私はそう見ている。(O)
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