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コラム〜永田町の舞台裏
永田町の舞台裏 06.9.22号
小泉が敷いたレール

「安倍政権への道筋を作ったのは再チャレンジ議連だ」
「いや、党内のベテランたちが派閥横断で支援体制を作ったのが、安倍圧勝の決め手になった」
手柄は我にありと言わんばかりに安倍新総裁誕生と同時に多くの議員が声を上げている。

 しかし、私は安倍への流れを見事に作り上げたのは小泉だと断言する。それも、この数ヶ月の話ではない。3年も前に安倍を実質後継指名したのだ。

 2003年に、小泉が安倍を幹事長に登用した際、党改革検証推進委員会という組織をあてがった。候補の公募制度や広報改革などあらゆる党改革を実験的に進めようというのが委員会の主旨だった。
 小泉は座長に安倍を任命し、メンバーには当時まだ党内では若手だった面々を参加させた。この委員会は、積極的に会合を重ねて改革メニューを提言したが、当時党内のベテランは、
「若い連中が好き勝手にいろいろやってるが、実現可能性のない改革の文言ばかりで検討に値しない。まあ、若手の元気は買うが…」
と、まったくこの組織を無視していた。
 ところが、小泉周辺はこう解説する。
「あの委員会は、実は党内に足場のない安倍さんに対して、小泉さんが与えたいわば安倍派の原型だった。メンバーも数年後には活躍するだろうという若手を派閥横断で集めるよう指示。そして何より小泉さんは安倍さんに『この委員会で派閥解消をメニューに掲げ実現しなくちゃだめだ』と説いた。安倍さんは『よく分かりました』とうなずき、小泉さんが本気で派閥を壊し自分を後継指名してくれたことを感じた。だからそのあと、安倍さんは小泉さんに忠誠を誓ったように常にそばで支え続けた」
 
 なるほどその通りだ。
 今回、総裁選で安倍を支えた面々。世耕弘成、塩崎恭久、菅義偉、下村博文、梶山弘志、菅原一秀…。すべて党改革検証推進委員会の設立当時からのメンバーだ。
 小泉恐るべしである。安倍への道を3年も前から敷いていた。そして、旧来の派閥が総裁選ではもはや機能しないところまで崩壊させてしまった。

 安倍が、政権運営に行き詰まり国民の支持率が下がったとする。もちろん政策的な具体論が見えない安倍政権にとっては現実的に十分ありうることだ。
 ところが、そのときのニュース映像を想像してみる。
 安倍は、森のところへ相談に出向くだろうか。中曽根のところへ行くだろうか。恐らく、小泉の事務所や私邸に出向くだろう。小泉から「思うとおりにやれ」との言葉が発せられ、その2ショットがニュース映像に出た途端、支持率が回復する―。そんなシナリオがはっきりと見えてくるのだ。

 安倍政権は、小泉がずっと前から準備してきた院政の始まりである。その延長線上には、自民党内の派閥解体と再編、ひいては政界再編、そして小泉が再び永田町の主役になる可能性が大いに潜んでいるのではないか。   【文中敬称略】 (S)
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「7days永田町」は終了いたしました