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永田町の舞台裏 06.8.19号
脱力してはいけない

 まただ。
 8月15日、靖国神社参拝後の小泉首相の「ぶらさがり」はまたしても、私には全く理解できないものだった。
 参拝の是非は別にしても、一国のリーダーが参拝をめぐる国際関係や憲法原則について論理をすり替えたり逆立ちさせたりして、デタラメを言ってはばからない。ネットなどでもう一度この首相と記者団とのやりとりを見てもらいたい。全篇これ、低次元の強弁でしかない。
 ひとつだけ例をあげると――。
 02年4月に靖国神社を参拝した際、首相は「終戦記念日にこだわり、内外に不安や警戒を抱かせることは意に反する」との所感を発表した。その所感と今回の参拝の整合性を問われると、「矛盾しない」のだと言う。なぜなら、「いつ行っても問題に する勢力があるから仕方ない」のだそうだ。
 力が抜ける。本人がこれを真顔でいっているのだから、余計に脱力する。
 思えば、この人が首相になってからこの手のやりとりばかりだった。この間、マスコミは突っ込み不足だとさんざん世間から指弾されたが、実際に首相と相対した場合、こちらが予想もしない没論理的で破廉恥な言葉に二の句をつぐことができない、力が抜けて反論する気にもなれない、という感じを分かってもらえないだろうか。これではいけないと思いながら、有効な手立てがなかったというのが、体験に基づく私の実感である。
 さて、結論。
 こうした無力感も首相の退任にともなって消えるかというと、どうもそうではないかもしれない。後継首相の最有力候補は4月に靖国神社に行ったのか行かなかったのかを言わないとおっしゃっている。なぜなら明言すると外交問題になるからだと言う。
 夫婦関係がおかしくなるから浮気したかしなかったかは言えないとか、給料を減らされるから仕事をさぼったかさぼらなかったかは言えないとか、奥さんや上司に言ったらどうなるだろう。先方が馬鹿馬鹿しくなって放免してもらえるかもしれないが、相当見くびられることは間違いない。
 いかに破綻していても自分の行動の理由を説明する首相のほうが、行動自体を明らかにしない首相よりはまともかもしれない。次こそ、わたしたちも脱力している場合ではないだろう。自戒を込めて、そう思う。(O)
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「7days永田町」は終了いたしました