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永田町の舞台裏  06.8.11号
苦悩のパートナー

 「安倍さん優位とか、対抗馬はなどと自民党は騒いでいるがひたひたと押し寄せている危機がまったく分かっていない」
 久々に会った、公明党の参議院議員は開口一番こう言った。
 連立のパートナーとして、政権の一角を担ってきた公明党だが、今秋、自民党の総裁選直後に新代表が選ばれる。こちらも世代交代。神崎・冬柴体制に代わって、これまでのところ、太田昭宏代表・北側一雄幹事長の新体制が本命と見られている。
 ところが、この議員の見通しは決して明るくない。
「ある支援者の集会で、各種負担増の話をした。少子高齢化で財政が破綻しそうなこと。そのために社会保障にはある程度の当事者負担が必要と理路整然と説明した」
ところが、会場はシーンと静まり返るという異様な空気。そして、集会終了後に年配の支援者たちが口々に見送る党関係者にこう言い放った。
「負担増は痛い。生活できない。でもそれでも黙って負担しろというのか。よく分かった。要は俺たちに早く死ねというんだな」
この議員は大きなショックを受けた。
「福祉の党、平和の党として、連立にいても自民党に常にモノを言って、弱者切捨てにならないようウォッチしていくのが役目だったのに、いつから自民党の代弁者のようになってしまったのか。熱心に応援してくれる(創価)学会の人たちがここまで怒っているのは大変なことだ」
 
 こんなこともあった。
 7月に大手紙が、住民税負担増の記事を掲載したときには、公明党本部に支援者から抗議電話が殺到したという。
 
 配偶者控除の廃止、医療費負担増、定率減税の残り部分の廃止、控除廃止に伴う公営住宅の家賃負担増…ざっと数えると、生活者の負担増は12項目にも上る。小泉の派手なパフォーマンスと改革という耳障りのいい御旗で見えなかったが、ようやくこうした生活直結の負担増が、生活者自身の怒りのうねりにつながってきている。
 来年の参議院選挙に向けて、恐らく民主党はこうした負担増を徹底して突いてくるだろうし、マスコミもネガティブキャンペーンのように取り上げるだろう。政権批判の世論は、ことが生活者の身近な問題だけに高まることは間違いない。
 
 太田は、かつてこう話していた。
「公明は埋没してはいないか。言うべきは言う。平和や福祉といった根幹については連立といえども一線を画すべきだ」
新代表になったら、こうした太田の公明党の存在意義を示す路線がとられるかもしれない。
 前出の議員は言う。
「このままいくいと来年の参院選はきつい。しかし、うちより自民党はもっと危機的だ。このことを分かっているのは自民では青木(幹雄)さん、片山(虎之助)さんぐらいじゃないか」
 自民党総裁選の支持理由で『来年の参院選で勝てる党の顔は安倍しかいない』という声をいろんな自民党議員から聞く。しかし、認識は明らかに甘い。安倍であってもすでに手遅れの政権批判世論が高まりつつあるのだ。       【文中敬称略】 (S)
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