
永田町の舞台裏 06.7.28号
総裁候補はふたりだけ?
視聴者から朝日ニュースターに寄せられたこんな意見があった。要約すると次のようなものだ。
「武部幹事長は某テレビ番組で『総裁選を国民参加でやりたい』と語っていたが、国民を騙すな!と言いたい。総裁選の投票権は党員にしかないのだから、結局は自民党の中での権力闘争や自民党内部の力学で決まってしまうではないか」
まったく同感である。指摘の通り、決して騙されてはいけない。
マスコミ各社の世論調査が、あたかも国民が参加している総裁選のような錯覚を生み出しているのも事実だ。責任は、マスコミにも大いにある。自民党総裁選は所詮コップに中の、しかも人材不足の中での争いなのだということをあらためて認識すべきであろう。
先週の福田不出馬表明以来、総裁選へ向かっての動きが加速してきた。
安倍が東京都連に招かれ再チャレンジタウンミーティングの質疑に参加したのを覗いてみた。
「会社が倒産してもやり直せる仕組み、リストラされてもやり直せる仕組みを作って行きたい」
と語ったが、具体性は何もない。
参加していた地方議員のひとりは、
「あれならオレでも話せるよなあ(笑)。安倍さんには華はあるが、政策的な中身が感じられないんだ」
と失望感をあらわにした。
そういえば、福田の不出馬も情けない。不出馬そのものよりも囲まれた記者に語ったコメントだ。
「もう年だから…」
そんなことはハナから分かりきったことではないか。
だいたい総裁選に意欲があるのかないのかもはっきりさせずに逃げ回った末の不出馬の公式コメントがこれだ。確かに、自らが永田町で置かれている立場や人間関係など複雑な理由が背景にはある。しかし、総裁候補に挙がる政治家として語るべき言葉はほかにないのか。福田を支援してきた国会議員たち、そして何より福田に期待してきた国民はがっかりだろう。
この程度の政治家を、まるでハイレベルの頂上決戦のように報じてきたマスコミの責任はここでも問われるのではないか。以前このコラムで、総裁候補とされる面々の政治家としての実績や力量を徹底的に検証すべきがマスコミの役割だと書いたことがある。それを未だに果たせていない。
年金といった国民生活の根幹を中心に政権構想を発表して正式に出馬表明した河野太郎。消費税アップや小泉外交批判など逃げずに政権構想を発表した谷垣。このふたりには、大いに意気を感じ、好感を持つ。自ら具体的な政策を掲げ総理・総裁を目指す、それを見て推薦人になって欲しいという正攻法だ。オープンな総裁選に相応しい。
残念ながら安倍からは未だに何も見えてこない。安倍支援の若手の中には、こうした安倍に批判的な声もある。
「安倍さんが出馬表明を遅らせたのは、福田さんの動きなど見極めたかったし、森派の調整などもあったからだ。自分は、サミット後には堂々と他の候補に先駆けて政権構想を発表すべきだと思ったから遅らせることには反対した。周りの様子を伺いながらなんていう姿勢は、いかにも古い永田町的だからだ。その辺は煮え切らない部分でもある」
総裁選レース…。今、候補の資格があるのは、河野、谷垣のふたりだけだ。 【文中敬称略】 (S)
視聴者から朝日ニュースターに寄せられたこんな意見があった。要約すると次のようなものだ。
「武部幹事長は某テレビ番組で『総裁選を国民参加でやりたい』と語っていたが、国民を騙すな!と言いたい。総裁選の投票権は党員にしかないのだから、結局は自民党の中での権力闘争や自民党内部の力学で決まってしまうではないか」
まったく同感である。指摘の通り、決して騙されてはいけない。
マスコミ各社の世論調査が、あたかも国民が参加している総裁選のような錯覚を生み出しているのも事実だ。責任は、マスコミにも大いにある。自民党総裁選は所詮コップに中の、しかも人材不足の中での争いなのだということをあらためて認識すべきであろう。
先週の福田不出馬表明以来、総裁選へ向かっての動きが加速してきた。
安倍が東京都連に招かれ再チャレンジタウンミーティングの質疑に参加したのを覗いてみた。
「会社が倒産してもやり直せる仕組み、リストラされてもやり直せる仕組みを作って行きたい」
と語ったが、具体性は何もない。
参加していた地方議員のひとりは、
「あれならオレでも話せるよなあ(笑)。安倍さんには華はあるが、政策的な中身が感じられないんだ」
と失望感をあらわにした。
そういえば、福田の不出馬も情けない。不出馬そのものよりも囲まれた記者に語ったコメントだ。
「もう年だから…」
そんなことはハナから分かりきったことではないか。
だいたい総裁選に意欲があるのかないのかもはっきりさせずに逃げ回った末の不出馬の公式コメントがこれだ。確かに、自らが永田町で置かれている立場や人間関係など複雑な理由が背景にはある。しかし、総裁候補に挙がる政治家として語るべき言葉はほかにないのか。福田を支援してきた国会議員たち、そして何より福田に期待してきた国民はがっかりだろう。
この程度の政治家を、まるでハイレベルの頂上決戦のように報じてきたマスコミの責任はここでも問われるのではないか。以前このコラムで、総裁候補とされる面々の政治家としての実績や力量を徹底的に検証すべきがマスコミの役割だと書いたことがある。それを未だに果たせていない。
年金といった国民生活の根幹を中心に政権構想を発表して正式に出馬表明した河野太郎。消費税アップや小泉外交批判など逃げずに政権構想を発表した谷垣。このふたりには、大いに意気を感じ、好感を持つ。自ら具体的な政策を掲げ総理・総裁を目指す、それを見て推薦人になって欲しいという正攻法だ。オープンな総裁選に相応しい。
残念ながら安倍からは未だに何も見えてこない。安倍支援の若手の中には、こうした安倍に批判的な声もある。
「安倍さんが出馬表明を遅らせたのは、福田さんの動きなど見極めたかったし、森派の調整などもあったからだ。自分は、サミット後には堂々と他の候補に先駆けて政権構想を発表すべきだと思ったから遅らせることには反対した。周りの様子を伺いながらなんていう姿勢は、いかにも古い永田町的だからだ。その辺は煮え切らない部分でもある」
総裁選レース…。今、候補の資格があるのは、河野、谷垣のふたりだけだ。 【文中敬称略】 (S)



