
永田町の舞台裏 06.6.2号
側近
「今、彼が考えているのはふたつ。ひとつは靖国参拝をどんな形にして有終の美を飾るか。もうひとつは、安倍への流れをどう作るか…」
彼とは、小泉の側近中の側近・飯島勲秘書官だ。飯島をよく知る永田町関係者は、飯島のハラをそう読んでいる。
マスコミが、飯島を形容する言葉は数多くある。『陰の総理』『恫喝』『剛腕』…。どれもおおよそ好印象とはかけ離れている。
しかし、飯島が意に介さないのは、側近の美学があるからだという。前出の関係者は言う。
「マスコミが彼を見るときに欠けている視点は、すべてが小泉のため、その一点しかないことだ。ありとあらゆる可能性を考え、小泉を売り出すために、小泉に手柄を立てさせるために飯島はどう転んでもいいあらゆる準備をする。ところが、そうして準備をしても、最後は小泉が選んだ方法に従う。だから、マスコミに叩かれても一向に構わない。結果、小泉の支持率が上がっていることで飯島は自分への批判も簡単に飲み込んでしまう」
靖国参拝についての小泉自身のこだわりは相当なものだとされる。恐らく参拝するであろう。問題なのはその時期だ。8月15日に参拝し一斉にアジアからの批判でもあれば、総裁選レースで慎重派の福田らの支持率を大きく上げかねない。小泉が、後継に考えている安倍には不利だ。
一方で、飯島は小泉には靖国に行かせてやりたい。小泉がやりたいことは、自らも同化して感じ入ってしまうからだ。
「小泉はいつ行くかを飯島さえにも相談しない。飯島はそれを水臭いとも思わない。小泉がいつ突然行ってもいいように手を打つ。そして安倍への影響を最小限に食い止めるためにどうするか。それを今必死で考えているはずだ」(前出関係者)
国会は、重要法案が次々に今国会内での審議・成立が見送られつつある。すべて次の総理に持ち越されるが、これらの重要課題はいずれも小泉という稀有のリーダーだからこそ国会の遡上に上がったものであり、小泉以外の誰であっても重すぎる課題である。安倍でも、福田でもおそらく国会は野党の追及と国民世論を巻き込んで大混乱になる可能性は高い。そして次期総理の政権は持ち堪えられなくなり来年の参院選で与党は大敗。
するとどうなるか。
「小泉の再登板を望む声が1年後以降に出る可能性だってある」(森派中堅議員)
ありとあらゆる可能性を考えて手を打つ飯島の頭には、再登板もあるのだろう。
「そのためにも一番いい、きれいな終わり方。やり切ったというより、惜しまれつつ辞めるという形。それを演出するのが残された任期内の飯島の大仕事」(前出関係者)
若い議員が増え、議員と秘書の関係もドライになってきた。議員自身が「うちのスタッフ」などと呼ぶのもその関係がフラットになりつつある証明だ。
かつては永田町に多くいた、『滅私奉公』『忠と孝』のような秘書が少なくなった中で、側近・飯島の動きに注視したい。 【文中敬称略】 (S)
「今、彼が考えているのはふたつ。ひとつは靖国参拝をどんな形にして有終の美を飾るか。もうひとつは、安倍への流れをどう作るか…」
彼とは、小泉の側近中の側近・飯島勲秘書官だ。飯島をよく知る永田町関係者は、飯島のハラをそう読んでいる。
マスコミが、飯島を形容する言葉は数多くある。『陰の総理』『恫喝』『剛腕』…。どれもおおよそ好印象とはかけ離れている。
しかし、飯島が意に介さないのは、側近の美学があるからだという。前出の関係者は言う。
「マスコミが彼を見るときに欠けている視点は、すべてが小泉のため、その一点しかないことだ。ありとあらゆる可能性を考え、小泉を売り出すために、小泉に手柄を立てさせるために飯島はどう転んでもいいあらゆる準備をする。ところが、そうして準備をしても、最後は小泉が選んだ方法に従う。だから、マスコミに叩かれても一向に構わない。結果、小泉の支持率が上がっていることで飯島は自分への批判も簡単に飲み込んでしまう」
靖国参拝についての小泉自身のこだわりは相当なものだとされる。恐らく参拝するであろう。問題なのはその時期だ。8月15日に参拝し一斉にアジアからの批判でもあれば、総裁選レースで慎重派の福田らの支持率を大きく上げかねない。小泉が、後継に考えている安倍には不利だ。
一方で、飯島は小泉には靖国に行かせてやりたい。小泉がやりたいことは、自らも同化して感じ入ってしまうからだ。
「小泉はいつ行くかを飯島さえにも相談しない。飯島はそれを水臭いとも思わない。小泉がいつ突然行ってもいいように手を打つ。そして安倍への影響を最小限に食い止めるためにどうするか。それを今必死で考えているはずだ」(前出関係者)
国会は、重要法案が次々に今国会内での審議・成立が見送られつつある。すべて次の総理に持ち越されるが、これらの重要課題はいずれも小泉という稀有のリーダーだからこそ国会の遡上に上がったものであり、小泉以外の誰であっても重すぎる課題である。安倍でも、福田でもおそらく国会は野党の追及と国民世論を巻き込んで大混乱になる可能性は高い。そして次期総理の政権は持ち堪えられなくなり来年の参院選で与党は大敗。
するとどうなるか。
「小泉の再登板を望む声が1年後以降に出る可能性だってある」(森派中堅議員)
ありとあらゆる可能性を考えて手を打つ飯島の頭には、再登板もあるのだろう。
「そのためにも一番いい、きれいな終わり方。やり切ったというより、惜しまれつつ辞めるという形。それを演出するのが残された任期内の飯島の大仕事」(前出関係者)
若い議員が増え、議員と秘書の関係もドライになってきた。議員自身が「うちのスタッフ」などと呼ぶのもその関係がフラットになりつつある証明だ。
かつては永田町に多くいた、『滅私奉公』『忠と孝』のような秘書が少なくなった中で、側近・飯島の動きに注視したい。 【文中敬称略】 (S)



